◆◆毬沙琳(音楽ジャーナリスト)選◆◆
♦ピカイチ
サイモン・ラトル指揮 バイエルン放送交響楽団
11月27日(水)サントリーホール
ブルックナー:交響曲第9番(コールス校訂版)他
♦次点
新国立劇場 ロッシーニ「ウィリアム・テル」
11月23日(土)新国立劇場オペラパレス
大野和士(指揮)/ヤニス・コッコス(演出)/ゲジム・ミシュケタ(ギヨーム・テル)他/東京フィルハーモニー交響楽団
③新国立劇場 ベッリーニ「夢遊病の女」
10月6日(日)新国立劇場オペラパレス
マウリツィオ・ベニーニ(指揮)/バルバラ・リュック(演出)/クラウディア・ムスキオ(アミーナ)/アントニーノ・シラグーザ(エルヴィーノ)他/東京フィルハーモニー交響楽団
④東京春祭 リッカルド・ムーティ イタリア・オペラ・アカデミー ヴェルディ「アッティラ」
9月16日(月)Bunkamuraオーチャードホール
リッカルド・ムーティ(指揮)/イルダール・アブドラザコフ(アッティラ)他/東京春祭オーケストラ
⑤ヤクブ・フルシャ指揮 東京都交響楽団 第1003回定期演奏会
7月4日(木)サントリーホール
ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(コーストヴェット:1878/80年)、他
⑥シャルル・デュトワ指揮 NHK交響楽団
10月30日(水)NHKホール
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」他
⑦ジョヴァンニ・アントニーニ指揮 イル・ジャルディーノ・アルモニコ
12月13日(金)トッパンホール
ハイドン:交響曲44番「悲しみ」他
⑧アレクサンドル・カントロフ ピアノ・リサイタル
11月30日(土)サントリーホール
ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第1番、他
⑨東京春祭 R・シュトラウス「エレクトラ」
4月18日(木)東京文化会館
セバスティアン・ヴァイグレ(指揮)/エレーナ・パンクラトヴァ(エレクトラ)他/読売日本交響楽団
⑩藤田真央 ピアノ・リサイタル
12月12日(木)サントリーホール
矢代秋雄:24のプレリュード、他
~選曲の妙、稀少かつ秀逸なオペラ上演、想像を超える管弦楽など豊穣な一年に~
ラトルとバイエルン放送響は選曲の妙で新たな視座を聴き手に示してくれた。新国立劇場の2作品は甲乙付け難く、演奏会形式のオペラは番外にも名演が。フルシャやデュトワがそれぞれオーケストラから彼らにしか出せない響きで魅了、アントニーニのハイドン「悲しみ」は時代を超えて今まさに聴くべき音楽だった。作品の世界観を独自の音楽で昇華させるカントロフ、矢代秋雄15歳の作品を多彩に表現した藤田真央らも強く印象に残った。
◆◆山田治生(音楽評論家)選◆◆
♦ピカイチ
サイモン・ラトル指揮 バイエルン放送交響楽団
11月27日(水)サントリーホール
ブルックナー:交響曲第9番(コールス版)
♦次点
東京春祭 リッカルド・ムーティ イタリア・オペラ・アカデミー ヴェルディ「アッティラ」
9月14日(土)東京音楽大学100周年記念ホール
リッカルド・ムーティ(指揮)/イルダール・アブドラザコフ(アッティラ)他/東京春祭オーケストラ
③ヘルベルト・ブロムシュテット指揮 NHK交響楽団 第2021回定期公演C
10月26日(土)NHKホール
シューベルト:交響曲第8番「ザ・グレート」他
④ジョナサン・ノット指揮 東京交響楽団 R・シュトラウス「ばらの騎士」
12月15日(日)ミューザ川崎シンフォニーホール
ミア・パーション(元帥夫人)/カトリオーナ・モリソン(オクタヴィアン)/アルベルト・ペーゼンドルファー(オックス男爵)他
⑤びわ湖ホール R・シュトラウス「ばらの騎士」
3月3日(日)滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール
阪哲朗(指揮)/中村敬一(演出)/田崎尚美(元帥夫人)/斉木健詞(オックス男爵)/山際きみ佳(オクタヴィアン)他/京都市交響楽団
⑥ヤニック・ネゼ=セガン指揮METオーケストラ
6月25日(火)サントリーホール
エリーナ・ガランチャ(ユディット)/クリスチャン・ヴァン・ホーン(青ひげ公)
バルトーク:「青ひげ公の城」
⑦濱田芳通 第53回サントリー音楽賞受賞記念 ヘンデル「リナルド」
8月17日(土)サントリーホール
濱田芳通(指揮・リコーダー)/彌勒忠史(リナルド)他/アントネッロ
⑧セイジ・オザワ 松本フェスティバル 沖澤のどか指揮 サイトウ・キネン・オーケストラ
8月10日(土)キッセイ文化ホール
R・シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」他
⑨新国立劇場 ロッシーニ「ウィリアム・テル」
11月26日(火)新国立劇場オペラパレス
大野和士(指揮)/ヤニス・コッコス(演出)/ゲジム・ミシュケタ(ギヨーム・テル)他/東京フィルハーモニー交響楽団
⑩Ensemble Amoibe vol.61ブルックナー 弦楽五重奏曲
12月26日(木)Hakuju Hall
~ラトル、畏るべし~
ラトル&バイエルン放送響は、プログラミングにおいても、演奏においても、2024年のベスト・コンサートだったと思う。ラトル、畏るべし。ムーティやブロムシュテットという世界最高峰の巨匠が日本の音楽家たちとがっつりと取り組んだ演奏会はたいへん聴き応えがあった。阪哲朗&びわ湖ホール、沖澤のどか&サイトウ・キネン・オケはどちらも幸先の良いスタート。ノット&東響のシュトラウス・シリーズは毎回特筆すべき成果を収めた。
◆◆宮嶋極(音楽ジャーナリスト)選◆◆
♦ピカイチ
セイジ・オザワ 松本フェスティバル 沖澤のどか指揮 サイトウ・キネン・オーケストラ
8月16日(金)キッセイ文化ホール
ブラームス:交響曲第1、2番
♦次点
東京春祭 リッカルド・ムーティ イタリア・オペラ・アカデミー ヴェルディ「アッティラ」
9月14日(土)東京音楽大学100周年記念ホール
リッカルド・ムーティ(指揮)/イルダール・アブドラザコフ(アッティラ)他/東京春祭オーケストラ
〇新国立劇場 ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」
3月14日(木)新国立劇場オペラパレス
大野和士(指揮)/デイヴィッド・マクヴィカー(演出)/ゾルターン・ニャリ(トリスタン)/リエネ・キンチャ(イゾルデ)、他/東京都交響楽団
〇東京春祭 ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」
3月30日(土)東京文化会館
マレク・ヤノフスキ(指揮)/ステュアート・スケルトン(トリスタン)/ビルギッテ・クリステンセン(イゾルデ)、他/NHK交響楽団
〇東京春祭 R・シュトラウス「エレクトラ」
4月18日(木)東京文化会館
セバスティアン・ヴァイグレ(指揮)/エレーナ・パンクラトヴァ(エレクトラ)他/読売日本交響楽団
〇フェスタサマーミューザ ジョナサン・ノット指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団
8月2日(金)ミューザ川崎シンフォニーホール
マーラー:交響曲第7番「夜の歌」
〇ヘルベルト・ブロムシュテット指揮 NHK交響楽団 第2021回定期公演C
10月25日(金)NHKホール
シューベルト:交響曲第8番「ザ・グレート」他
〇アンドリス・ネルソンス指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
11月17日(日)サントリーホール
R・シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」他
〇サイモン・ラトル指揮 バイエルン放送交響楽団
11月28日(木)NHKホール
マーラー:交響曲第7番「夜の歌」他
〇ジョナサン・ノット指揮 東京交響楽団 R・シュトラウス「ばらの騎士」
12月15日(日)ミューザ川崎シンフォニーホール
ミア・パーション(元帥夫人)/カトリオーナ・モリソン(オクタヴィアン)/アルベルト・ペーゼンドルファー(オックス男爵)他
~小澤征爾の思いが乗り移ったかのような沖澤のどか&SKOによる奇跡のブラームス~
小澤の逝去後、初のセイジ・オザワ松本フェスティバル。小澤の穴を埋めるはずだったアンドリス・ネルソンスの直前降板で危機に直面。首席指揮者・沖澤のどかが急きょ代役を務めることになったが、会場に漂う緊張感は尋常ならざるものがあった。この状況にSKOは渾身の熱演で沖澤を支え、奇跡の名演が生まれた。楽員や聴衆の多くが沖澤の背後に目に見えぬ小澤の存在を感じた。初日公演を聴いた者だけの特別な体験だった。