~4~ ホール全体が集中力に満ちて マエストロ・ムーティとの「第9」200周年公演
前回の記事で、ウィーン・フィルでの公演で凄すぎてびっくり仰天しちゃったコンサートにMo.(マエストロ)ティーレマンとの定期公演をあげましたが、今回ももうひとつ振り返りたいと思います。 それは、今年の5月にあったMo.ムー
前回の記事で、ウィーン・フィルでの公演で凄すぎてびっくり仰天しちゃったコンサートにMo.(マエストロ)ティーレマンとの定期公演をあげましたが、今回ももうひとつ振り返りたいと思います。 それは、今年の5月にあったMo.ムー
毎日クラシックナビの恒例企画、在京オーケストラによる年末第9公演(ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調Op.125〝合唱付き〟)の聴き比べリポート。24年12月に開催された公演から6つのコンサートをピックアップし2回に分け
カレーハウスCoCo壱番屋の創業者で現在は名古屋にある宗次ホールの代表を務める宗次德二さんがクラシック音楽と歩んできた軌跡をたどる連載の第3回。宗次さんが見てきた音楽家の姿や、これからクラシック音楽をもっと好きになりたいという人たちへのアドバイスを伺った。
豊かでチャーミングな表現で輝く小林沙羅(ソプラノ)と、圧倒的な美声と卓説した表現力でオペラ界をリードする大西宇宙(バリトン)。オペラの魅力を体現している2人がデュオ・リサイタルを行うのだから〝事件〟である。しかも、本格的
11月は芸術の秋にふさわしい名演、熱演が各地で繰り広げられた。そこで今回は11月開催のステージからピカイチを、1月開催予定の公演からイチオシを選者の皆さんに紹介していただく。 先月のピカイチ ◆◆11月◆◆ 東条碩夫(音
2024年のオーケストラ界の出来事で最も衝撃を受けたのは小澤征爾の逝去であった。筆者が小澤の訃報に最初に接したのは、2月9日の読売日本交響楽団の定期演奏会だった。演奏会の途中休憩のあと、当日の指揮者、山田和樹がステージか
親密な響き、品格ある歌声と透明度の高い合唱がホールを祝福感で満たす サントリーホール恒例となった「聖夜のメサイア」は2001年の開始以来、バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)が舞台に立ち続けてきた。昨年は創設者の音楽監
インタビューに応じる上村 古楽から現代音楽まで幅広く活躍する、チェリストの上村文乃が「A OF CELLO」というリサイタル・シリーズを始める。その第1弾(1月25日・王子ホール)でもやはり、バッハから細川俊夫作品(日本
求心的なアプローチで映し出す、孤高の芸術家の悲しみと嘆き 千住真理子にとって、イザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタはライフワークだ。節目のたび全曲演奏に臨んでおり、今回はデビュー50周年特別プレ企画と位置付けられた。201
ヴァイオリンの優美な麗しさとピアノの柔和さが美しく調和する名手のデュオ ヴァイオリンの樫本大進とピアノのラファウ・ブレハッチ、世代も近い名手がデュオを組んだ。ブレハッチが室内楽を日本で披露するのはこのツアーが初めてだろう
フランス・オペラを最高に輝かせる高貴な歌唱で イタリア・オペラも特別なものに この連載のタイトルは「イタリア・オペラ名歌手カタログ」だが、今回はフランス・オペラの話からはじめたい。話はイタリア・オペラにも行き着くが、この
エネルギッシュな打鍵に、ひたすら美しい無垢な音響――重量級プログラムで示した新境地 プレミアム・リサイタルと銘打った当シリーズは辻󠄀井伸行にとって、ひときわ思い入れが深い企画。聴衆との距離が近い小ぶりな会場を選び、重量級
歌手たちの功績が光る、あっぱれな「ばらの騎士」 2022年に始まったジョナサン・ノット指揮、東京交響楽団によるシュトラウス・オペラも、「サロメ」、「エレクトラ」ときて、ついに「ばらの騎士」である。1幕ものの前2者とは違っ
畢生の名演、尾高忠明と大阪フィルのブルックナー「8番」 ブルックナーの交響曲の中でも最大傑作と言われる「交響曲第8番ハ短調」――大阪フィルハーモニー交響楽団には、この曲に不滅の名演を残した故・朝比奈隆氏への敬愛の念から、
声部間の伝統的ヒエラルキーを否定、驚異的な技術に支えられた大迫力の演奏 室内楽の殿堂、トッパンホールに、ジョヴァンニ・アントニーニ率いるピリオド楽器集団、イル・ジャルディーノ・アルモニコが初めて登場した。ヴァイオリンは第
エキスポ・クラシックス——この言葉をご記憶の方は、もう相当なご年齢だろう。これは、1970年の大阪万博で、その参加公演として開催されたクラシック音楽の数多い演奏会のことである。あの時は、大阪の旧フェスティバルホールを会場
希代の美質を再認識した一夜 すっかり人気者になったピアニスト、藤田真央が、スクリャービン、矢代秋雄、ショパンによる「24のプレリュード」を並べたリサイタルに臨んだ。新譜の「72 Preludes」(ソニー)を、曲順を変え
「今生まれ出るかのような音楽」に魅せられた、生気漲る一夜 イザベル・ファウストによる「モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全曲演奏会」の2日目。ジョヴァンニ・アントニーニ指揮/イル・ジャルディーノ・アルモニコとの共演で、モー
次第に熱を帯びたグランドオペラ志向の「魔笛」 ブリュッセルのモネ劇場が2005年に制作、東京の新国立劇場では2018年が初演だった南アフリカ共和国出身の現代美術家ウィリアム・ケントリッジ演出の「魔笛」(モーツァルト)の2
20年かけて築かれた指揮者とオーケストラの深い信頼関係——変幻自在に彩るオール・モーツァルト・プログラム 2年ぶりとなるパーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団の来日ツアーの横浜公演はオール・モーツァ
「死と乙女」の深淵な世界をノンストップで駆け巡る1時間 何が出て来るのか分からないのが、コパチンスカヤの面白さ。自身で弦楽合奏用に編曲したシューベルトの弦楽四重奏曲「死と乙女」に古楽と現代曲を鏤(ちりば)めたCD(アルフ
非凡な「運命」——シェーンベルクとの対比で際立つ古典派の構成美、激しさより美しさに光を当てた個性的な演奏 ジョナサン・ノット、ありきたりの演奏は決して聴かせない。そこが聴衆の熱い支持を集め、終演後は毎回、オケが退場しても
シェーンベルクに潜むウィーンの水脈、シューベルトの時代を超えた新奇性——様々な作曲家の幻想曲を絶妙に再現 1カ月前にミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団コンサートマスターとして「故郷に錦」を飾ったばかりの青木尚佳が202
2024年11月16日、スペイン・カタルーニャ地方のアル・バンドレイにてパブロ・カザルス国際賞の最終審査が行われ、日本人チェリストの北村陽が第1位を受賞したというニュースが世界を駆け巡った。北村は、今年9月にジョルジュ・
ブリリアントな響きを持つ陽性のショスタコーヴィチでモダンなオーケストラ芸術を創出 12月の都響定期Bシリーズは、指揮者が大野和士からメキシコ系アメリカ人のロバート・トレヴィーノに変更され、演目=ハイドンのチェロ協奏曲第1
時代を超え響き合う刺激的なベリオとモーツァルト 読響の指揮者/クリエイティブ・パートナーの鈴木優人によるベリオ:シンフォニアとモーツァルト:レクイエムを組み合わせた斬新なプログラム。演奏は充実の極みで、ベリオとモーツァル