オーケストラのススメ

音楽評論家の山田治生さんが、国内外のオーケストラの最新情報や鑑賞に役立つ豆知識などを紹介、演奏会に足を運びたくなるコラムです。

バルトークの「弦楽器、打楽器、チェレスタのための音楽」を奏でる山田和樹指揮読売日本交響楽団 (C)読売日本交響楽団 撮影=堀田力丸

~84~ 弦楽合奏+打楽器は20世紀の響き

2月9日、山田和樹指揮読売日本交響楽団の演奏会で、バルトークの「弦楽器、打楽器、チェレスタのための音楽」を聴いた。楽器編成のみが示された即物的なタイトル。1937年に初演されたこの作品の、弦楽器の滑らかな音と打楽器の乾い

「ウエスト・サイド・ストーリー」などが演奏された都響のニューイヤーコンサート (C)堀田力丸 写真提供:東京文化会館

~83~ ミュージカルのオーケストレーションについて

新年が明け、東京文化会館のニューイヤーコンサートに行った。演奏は原田慶太楼指揮東京都交響楽団。そのなかで、バーンスタインの「ウエスト・サイド・ストーリー」が取り上げられた。しかし、この日は、オーケストラのコンサートでよく

2024年はアントン・ブルックナーの生誕200年

~82~ アニバーサリーの作曲家

2024年はアントン・ブルックナーの生誕200年 2024年に生誕200周年を迎えるアントン・ブルックナーについては、既にそれを記念する演奏会が催され始めているが、ベドルジフ・スメタナがやはり生誕200周年を迎えることに

劇作家 ベルトルト・ブレヒト

~81~ ブレヒトと親交のあった作曲家たちの交響曲

劇作家 ベルトルト・ブレヒト 今年は、ドイツの劇作家ベルトルト・ブレヒト(1898~1956)の生誕125周年にあたる。音楽の世界では、彼はクルト・ヴァイルの「三文オペラ」の脚本家として高名であるが、ヴァイルのほかにも、

舞台上の歌手のみならず、オーケストラもまたオペラの担い手=新国立劇場「子どもと魔法」より 撮影:寺司正彦 提供:新国立劇場

~80~ 作品や劇場を映す、オペラのオーケストラ編成

10月1日、新国立劇場のオペラ部門の新シーズンが、プッチーニの「修道女アンジェリカ」とラヴェルの「子どもと魔法」で開幕した。一幕物のオペラの二本立てでいささかコンパクトなプログラムともいえたが、オーケストラ・ピットの中は

委嘱作品「Adagio for 2 Harps and Strings」を自ら指揮する久石譲と新日本フィルハーモニー交響楽団 (C)大窪道治

~79~ 名曲に合わせて書かれた新作

9月11日、サントリーホールで、久石譲指揮新日本フィルの演奏で、久石の新作を聴いた。新日本フィルからの委嘱を受けて書かれたその作品は「Adagio for 2 Harps and Strings  (2台のハープと弦楽の

PMFオーケストラの東京公演はブルックナーの未完の交響曲第9番をSPCM版で演奏したことも話題となった (C)PMF組織委員会

~78~ 未完の大作の補筆完成について

8月1日、パシフィック・ミュージック・フェスティバル札幌のアカデミー生たちによって編成される「PMFオーケストラ」の東京公演で、ブルックナーの交響曲第9番の補筆完成版を聴いた。ブルックナーが、交響曲第9番の第3楽章までを

マックス・レーガー

~77~ マックス・レーガーの生誕150周年を祝して

マックス・レーガー 6月は、NHK交響楽団と東京フィルハーモニー交響楽団がラフマニノフの初期の交響曲第1番を取り上げ、山田和樹&バーミンガム市交響楽団が彼の交響曲第2番を演奏するなど、ラフマニノフの生誕150周年がますま

サントリーホールのチェンバーミュージック・ガーデンで交響曲の編曲版に取り組んだ北村朋幹(ピアノ)、郷古廉(ヴァイオリン)、横坂源(チェロ)らのトリオ 撮影:飯田耕治 提供:サントリーホール

~76~ 交響曲の室内楽

先日、サントリーホールのチェンバーミュージック・ガーデンで、ピアノの北村朋幹、ヴァイオリンの郷古廉、チェロの横坂源のトリオが、ベートーヴェンの交響曲第2番とショスタコーヴィチの交響曲第15番を演奏した。ベートーヴェンの同