オーケストラのススメ

音楽評論家の山田治生さんが、国内外のオーケストラの最新情報や鑑賞に役立つ豆知識などを紹介、演奏会に足を運びたくなるコラムです。

サントリーホールのチェンバーミュージック・ガーデンで交響曲の編曲版に取り組んだ北村朋幹(ピアノ)、郷古廉(ヴァイオリン)、横坂源(チェロ)らのトリオ 撮影:飯田耕治 提供:サントリーホール

~76~ 交響曲の室内楽

先日、サントリーホールのチェンバーミュージック・ガーデンで、ピアノの北村朋幹、ヴァイオリンの郷古廉、チェロの横坂源のトリオが、ベートーヴェンの交響曲第2番とショスタコーヴィチの交響曲第15番を演奏した。ベートーヴェンの同

4年ぶりに開催され、多くの人で賑わう「ラ・フォル・ジュルネTOKYO」 (C)team Miura

~75~ 5月の音楽祭

音楽祭といえば、夏や秋がイメージされるが、いまや春も音楽祭の季節となっている。5月の連休中に「ラ・フォル・ジュルネTOKYO」に行った。コロナ禍のため、4年ぶりの開催。コロナ禍以前の公演数には戻っていなかったものの、50

セミ・ステージ形式で行われた東京二期会による「平和の日」日本初演 写真提供:公益財団法人東京二期

~74~ オペラの演奏会形式での上演

近年、オペラの演奏会形式での上演が増えているが、この春はいつも以上に多く、わずか半月の間に、筆者はヴェルディの「仮面舞踏会」、ワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」、R・シュトラウスの「平和の日」、プッチーニ

~73~ オーケストラの映画、ドラマ

NHK交響楽団の1月定期公演で、バルトークのヴィオラ協奏曲を聴いた。独奏はベルリン・フィルの首席奏者、アミハイ・グロス。新しい世代のヴィオラの名手の演奏だった。 ヴィオラという楽器は、長く独奏用の楽器とはみなされず、協奏

1月のNHK交響楽団の定期公演に出演したアミハイ・グロス 写真提供:NHK交響楽団

~72~ ヴィオラ協奏曲

この1月から3月にかけて、「リバーサルオーケストラ」というドラマが放送された。プロのオーケストラがテーマとなるドラマは案外珍しい。それは、俳優がプロの演奏家のように弾く真似(まね)をするのがかなり難しいこともあるだろう。

バーンスタインの作品で聴衆を楽しませた原田と大阪交響楽団 写真提供:ザ・シンフォニーホール

~67~ バーンスタインの3つの交響曲

8月に原田慶太楼&大阪交響楽団でオール・バーンスタイン・プログラムを聴いた。「キャンディード」序曲、「ウエスト・サイド・ストーリー」の音楽、交響曲第1番「エレミア」という、ミュージカルとシリアスな交響曲が組み合わされたバ