大阪の4オケが集結!それぞれの持ち味を生かした〝踊る〟プログラムを披露
1958年に中之島にある初代のフェスティバルホールで始まった大阪国際フェスティバル。大阪を拠点とする4つのオーケストラが一堂に会する「大阪4オケ」は、このフェスティバルの一環として2015年に始められ、今や春恒例の、大阪ならではの演奏会として定着し、人気も高い。今回のテーマは、「4オケは踊る」。アルゼンチン、スペイン、フランス、日本、ハンガリー、ロシアの作曲家によるさまざまな踊りの音楽が楽しめる多彩な内容となった。
トップバッターは関西フィルハーモニー管弦楽団。指揮は同楽団の総監督で首席指揮者でもある藤岡幸夫で、1曲目のヒナステラのバレエ組曲「エスタンシア」では、前半こそ少しテンポアップした方がと思う場面もあったが、終幕の踊りのマランボ(アルゼンチンの民族音楽)では、団員が音楽に合わせて足を踏み鳴らし、ときに身体を左右に揺らして最後は総立ちに。楽団の持ち味である明るさが存分に発揮され、続くファリャのバレエ音楽「三角帽子」の第2組曲では、冒頭から伸びやかで色彩豊かな響きが溢(あふ)れ出した。
一方、大阪交響楽団の1曲目、ラヴェルのバレエ組曲「マ・メール・ロワ」では、パヴァーヌやワルツといった宮廷時代の典雅な踊りが登場。内省的で、一つ一つの物語世界が、繊細に丁寧に紡がれた。常任指揮者の山下一史はドイツ音楽を得意とするイメージがあるが、実は学生時代はラヴェルが大好きだったそうで、2曲目に選んだのも、やはりラヴェルのバレエ「ダフニスとクロエ」第2組曲。洗練された色彩感が印象に残った。
後半は日本センチュリー交響楽団から。指揮はオケの本拠地、豊中市出身の出口大地で、今回は同楽団が、1991年に團伊玖磨に委嘱した管弦楽幻想曲「飛天繚乱」と、バルトークの「舞踏組曲」を披露。やや硬質の音で、エネルギッシュ、かつ力強さが前面に出た演奏となった。
最後は大阪フィルハーモニー交響楽団によるチャイコフスキーのバレエ音楽「白鳥の湖」が登場。指揮の尾高忠明がセレクションした10曲が演奏され、物語の情景や人物の心理描写が、いかに音楽だけで雄弁に語られているかが伝わる内容となった。圧巻は終曲。作曲者の指示通りフル編成で演奏することで、オーケストラピットでは叶(かな)わない、迫るような音量が生まれ、物語の悲劇性や純粋さが際立って感じられた。
各演奏後の指揮者の話も含め、4時間近くに及んだ演奏会は、4オケそれぞれの持ち味を堪能する貴重な機会となった。
(堀内みさ)
公演データ
第64回大阪国際フェスティバル2026/大阪4オケ2026「4オケは踊る♫」
4月18日(土)14:00フェスティバルホール(大阪)
出演・プログラム
藤岡幸夫指揮 関西フィルハーモニー管弦楽団
ヒナステラ:バレエ組曲「エスタンシア」
ファリャ:バレエ音楽「三角帽子」第2組曲
山下一史指揮 大阪交響楽団
ラヴェル
:バレエ組曲「マ・メール・ロワ」
:「ダフニスとクロエ」第2組曲
出口大地指揮 日本センチュリー交響楽団
團伊玖磨:管弦楽幻想曲「飛天繚乱」
バルトーク:舞踏組曲
尾高忠明指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団
チャイコフスキー:バレエ音楽「白鳥の湖」(尾高セレクション)
司会進行:堀江政生
ほりうち・みさ
音楽ライター。文筆家。20代から30代にかけて、毎年1カ月ほどバックパッカーでヨーロッパを旅し、主に立ち見でコンサートを聴きまくっているうちに、気がつけば物書きに。モットーはフィールドワークで、作曲家ゆかりの地を巡る連載なども担当。著書に「ショパン紀行」(東京書籍)「ブラームス『音楽の森へ』」(世界文化社)など。日本の音楽や伝統文化についての執筆を行う一面も。










