街の小さなカレー屋さんだったココイチを、国内外で事業を展開する大人気カレーチェーンへと成長させたカレーハウスCoCo壱番屋の創業者で、現在は宗次ホールの代表を務める宗次德二さんに〝仕事も人生もうまくいく考え方〟を教えていただく連載の第4回目。
2025年初めに伺うお話は、〝運気が上がる行動と思考〟について。
新しい年を迎えたいまが、心機一転のチャンス。昨年までとは違う行動を取り入れたり、考え方を変えてみることで、人生が良い方向に動き出すかもしれません。宗次さんのコトバで、気持ちよく1年のスタートを切りましょう!

第4回:運気が上がる行動と思考
新しい年は掃除にチェレンジしてみては?
〝本気の掃除〟は座禅以上の効果あり
私は毎朝6時過ぎから、数人の仲間と宗次ホールの周辺や栄の大通りの清掃を行っています。「掃除の心得」という冊子を作って参加者に配るほど、掃除の仕方にはこだわりがあります。
掃除はダラダラしてはダメです。速い動きでサッサッと掃いていかないと砂まで掬(すく)えません。箒(ほうき)は大きいとスピードが出ないので、小ぶりなものの方がいいですね。
裸足で歩いても痛くないくらい砂埃(ぼこり)を取り除くこと。〝掃き清める〟つもりで取り組まないといけません。
もし、これから朝の掃除をしてみようという方がいたら、いきなり街の掃除をするのは勇気がいるでしょうから、まずは自分の家の前から始めてみましょう。敷地内の雑草を抜くだけでも良いと思います。きっと、これまで気にならなかった雑草が目につき、自ずと抜くようになるはずです。同じように、自分で花を植えると、奇麗に咲かせようと水やりをしながら、毎日花の様子が気になって仕方がなくなります。
環境を整備することは防犯対策にもなり、良いこと尽くしなので、掃除はおすすめです。
私が知る限り、ほとんどの人が挫折してしまいますが……。「継続する勇気」を持つことは、簡単ではないと思います。だからこそ価値があります。要は「姿勢」です。


ナンバーワン、オンリーワンになれることを探そう
私は日本一が日本一多い社長です!
「笑顔が1番」、「挨拶が1番」、何でもいいです。とにかく、友人や会社で、もっと小さなコミュニティーでも良いので、その中で自分が1番になれることを作るべきだと思います。私の場合は、商売のほかに、年間就業時間や休日の少なさ、早起きや掃除、クラシック音楽を聴く回数など、日本一が日本一多い社長になりました。
中でも最も幸せな「1番」は、良い後継者に恵まれたことです。私は、ココイチの経営から退く時、家族を後継者にせず、創業間もない頃から苦労を共にしてきた従業員に経営を託しました。その結果、1度もストレスを感じることがなかったので、事業継承として日本一の成功事例だと思っています。
後進を育てるための、何か特別な教育法があったわけではありません。私はただ、会社の発展に心血を注ぎ、売り上げが上がるたびに従業員の待遇を改善していきました。目に見えるかたちで評価をすれば、従業員は会社のために頑張ろうとしてくれます。また、その姿を見ている家族も、応援してくれるはずです。それで、すべてが解決します。
誰よりも一生懸命に取り組む経営者の背中を見て、従業員は育っていくのです。
2025年こそ経営を上向きに!
うまくいかない状況を打破したいなら、まずは社長が変わること
バブルが崩壊してから33年ほどたち、経営はずっと右肩下がり。最近ではコロナの影響もあって、かなり厳しい経営状態に陥っている会社は多いかもしれません。私が経営者向けの講演でよく言うのは、今が一番楽ですよ、ということです。「明日はもっと良くなる」「いずれ景気は上向きになるだろう」と安易に考えるのではなく、「今ほど経営環境が穏やかで、やりやすい時期は2度とこない」という気持ちで、覚悟を決めるしかありません。
選択肢は二つです。一つはわずかな資産をお金に換え、社員に退職金を払ってから廃業すること。得策もなくズルズル続けていたら、もっと悲惨な状況になるだけですから。
もう一つは、社長が生まれ変わって一からやり直すこと。たとえ数百円でも、お金を払っていただいたお客様に心から感謝していた頃の気持ちを取り戻せば、再生する可能性はあります。元々、夢を実現するために好きで始めた経営なのですから、まずは原点に立ち返って、会社に我が身を捧げることが大切だと思います。
(第5回に続く)
毎年恒例ニューイヤーコンサートは大盛況!
2025年も楽しい企画がいっぱい

1月4日、名古屋ヴィルトゥオーゼンニューイヤーコンサートが宗次ホールで開催されました。名古屋ヴィルトゥオーゼンは、名古屋フィルハーモニー交響楽団の奏者を中心に2004年に結成されたアンサンブル。その名は、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のトップ奏者で結成された「ウィーン・ヴィルトゥオーゼン」から貰ったものです。今年は、生誕200年を迎えるヨハン・シュトラウス2世の楽曲の他、新年を彩る名曲の数々が演奏され、満場の客席は大いに盛り上がりました。
クラシック音楽とお城
ホールでのコンサート以外にも、楽しいイベントが企画されています。
例えば2月25に開催される「お城と歴史が好きな人の交流会」。宗次ホールで「クラシック音楽で巡るしろ旅~名古屋城」コンサートを鑑賞後、ココイチのトッピングカレーを食べながら名古屋城ガイドと岩崎城歴史記念館の学芸員を囲んでお城トークをする会です。
このようなイベントが年に数回、テーマを変えて開催されますが、毎回多数の応募があり、かなりの競争率になるそう。コンサートを聴くだけでなく、イベントに参加することで、同じ趣味を持つ仲間と出会えるかもしれません。
イベントのお知らせは、宗次ホールの公式ホームページに掲載されているので、定期的にチェックするのがおすすめです!
~おいしいまかないでやる気アップ!~今日の「宗次食堂」
今日のまかないは、心も身体も温かくなる「おでん」。
大きなお鍋に何種類もの具材を入れ、おしょうゆベースにしました。

(取材・文 野崎裕美)
宗次ホール
住所:愛知県名古屋市中区栄4丁目5-14
公式webサイト:https://munetsuguhall.com
Instagram: @munetsugu_hall
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