今回の「先月のピカイチ 来月のイチオシ」では年初恒例の特別企画、毎日クラシックナビが選ぶ「2024年開催公演の年間ベスト10」の集計結果を発表します。今年は当サイトのレギュラー執筆者である音楽評論家、ジャーナリストの中から11人の方にご参加いただき、24年1月1日から12月31日までの間に開催された公演を対象に投票を行いました。
その結果、「東京・春・音楽祭 リッカルド・ムーティ イタリア・オペラ・アカデミーin東京vol.4」で上演されたヴェルディの歌劇「アッティラ」(演奏会形式)とサイモン・ラトル指揮、バイエルン放送交響楽団来日公演の2件がそれぞれ13ポイントで、24年のピカイチ(年間ベスト公演)に選ばれました。また、次点(3位)は10ポイントを獲得したジョナサン・ノット指揮、東京交響楽団によるリヒャルト・シュトラウスの歌劇「ばらの騎士」(演奏会形式)。「アッティラ」は月例の企画でも選者全員がピカイチに挙げた圧巻のステージ。また、ノット&東響も23年の「エレクトラ」(2位)、一昨年の「サロメ」(1位)と、このコンビの充実ぶりが依然として続いていることを示した形となりました。
【採点・集計方法】
2024年1月1日から12月31日までの間に国内で開催された公演の中からクラシックナビの執筆者11人がそれぞれ、ベスト10を選出。1位(ピカイチ)3点、2位(次点)2点、3位から10位まではいすれも各1点とし、その合計をもとに順位を決定した。複数回公演を開催、あるいは海外オケの来日等で複数演目があった場合、取材日にかかわらずひとつにまとめてカウントした。なお、一昨年、昨年に続いて東条碩夫氏から「10公演ともに甲乙つけがたく順不同に」との希望があり、同氏が選んだ10公演はすべて1点として計算した。
① 東京春祭 リッカルド・ムーティ イタリア・オペラ・アカデミー ヴェルディ「アッティラ」(9月)……13点
① サイモン・ラトル指揮 バイエルン放送交響楽団(11月)……13点
③ ジョナサン・ノット指揮 東京交響楽団 R・シュトラウス「ばらの騎士」(12月)……10点
④ 東京春祭 ヴェルディ「アイーダ」(4月)……5点
④ 新国立劇場 ロッシーニ「ウィリアム・テル」(11月)……5点
⑥ 東京春祭 R・シュトラウス「エレクトラ」(4月)……4点
⑥ 英国ロイヤル・オペラ ヴェルディ「リゴレット」(6月)……4点
⑥ ヤニック・ネゼ=セガン指揮METオーケストラ(6月)……4点
⑥ セイジ・オザワ 松本フェスティバル 沖澤のどか指揮 サイトウ・キネン・オーケストラ(8月)……4点
⑥ 濱田芳通 第53回サントリー音楽賞受賞記念 ヘンデル「リナルド」(8月)……4点
⑥ 新国立劇場 ベッリーニ「夢遊病の女」(10月)……4点
⑥ アレクサンドル・カントロフ ピアノ・リサイタル(11月)……4点
⑥ イザベル・ファウスト モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全曲演奏会(12月)……4点