~2~ 夢が叶った! 「ウィーン・フィル シェーンブルン宮殿 夏の野外コンサート」

ステージ上から見渡すシェーンブルンの庭
ステージ上から見渡すシェーンブルンの庭

毎年何万人と来る観客の1人として、必ず行っていた「ウィーン・フィル シェーンブルン宮殿 夏の野外コンサート」。先日NHKでも放送されて、みなさまの記憶にも新しいかと思います。ウィーン・フィルの極上の音楽と、シェーンブルン宮殿の美々しいライトアップを、6月のちょうど良い風を浴びながら、ビール片手に聴くことができる。私はこのコンサートが本当に大好きです。

2018年から毎年聴きに行っていたコンサート。当時は、ウィーン・フィルなんて雲の上の存在すぎて、すごいなあ、すごいなあ、とただただ聴き惚れていただけでした。それが、この舞台に立ってみたい、とはじめて思ったのは、アカデミーのオーディションを受けると決めていた2022年。そして2023年、2024年は念願叶って舞台に立つことができました。 はじめて舞台から客席を見た瞬間の、あの景色は忘れることがないと思います。「夢が叶う」とはこの事だと思いました。 間違いなく音楽人生のハイライトのひとつになったと思います。

宮殿を背景に記念撮影
宮殿を背景に記念撮影

このコンサートは練習からシェーンブルン宮殿で行われます。休憩時間やリハ後はケータリングコーナーで皆様と団らんして、終演後は打ち上げ。DJが趣味の団員さんがおり、打ち上げではポップ、R&B、ディスコなどクラシックとは全く無縁の音楽を大音量で流し続け、朝まで飲んで食べて踊るのが伝統になっています。

このコンサートは野外なので、もちろんコンサート・ホールのような音響でもなく、カメラマンさんから事前に座る角度なども指示があり、ヘアメイクも入るので、なんとなくいつものコンサートとは雰囲気も違います。それに雨が降れば中止。2年共、GP(ゲネプロ)は大雨が降りましたが、公演当日は晴れました。良かった〜! 2年目は母も来ていたので、無事に開催されてホッとしました。

このように、私がこの2年間で思い出に残ったコンサートを、これからもここに書き残していきたいと思います!

幻想的な雰囲気の中、たくさんの聴衆が集った

有冨 萌々子

Momoko Aritomi

東京都立総合芸術高等学校音楽科ヴァイオリン専攻卒業後、ヴィオラに転向。東京藝術大学ヴィオラ専攻を経て、ウィーン国立音楽大学学部、修士課程共に満場一致の首席で卒業。
日本演奏家コンクール、ウィーン・ディヒラーコンクール、アントン・ルービンシュタイン国際コンクール、東京音楽コンクール、ブラームス国際コンクールなど、数々の国内外のコンクールにて入賞、優勝。
2019/2020年度公益財団法人ローム ミュージック ファンデーション奨学生。2022年度オーストリアHFPヤングアーティスト賞受賞。NHK-FMリサイタル・パッシオ、ヤングプラハ国際音楽祭などに出演。CHANEL Pygmalion Days 2023年参加アーティスト。
これまでにヴァイオリンを玉井菜摘氏、窪田茂夫氏に、 ヴィオラを大野かおる氏、Wolfgang Klos, Ulrich Schönauer, Thomas Selditz, Tobias Leaの各氏に師事。
2022-2024年度ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のアカデミー生として研鑽を積み、同時期にウィーン国立音楽大学にてセルディッツ教授のアシスタント及び講師も勤めた。
国内外のオーケストラでゲスト首席奏者を務めるだけでなく、ソリストとして東京フィル、日本フィル、新日本フィル、スロヴァキア国立放送交響楽団と共演するなど、オーケストラ奏者、ソリスト、室内楽奏者、指導それぞれで今最も期待されている若手実力派ヴィオラ奏者である。

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