ラトル&ロンドン響 ゆるぎない信頼で存在感示す……22年10月

来日ツアーではこれまでの集大成を披露するかのように13作品に取り組んだラトル&ロンドン響 (C)Naoya Ikegami
来日ツアーではこれまでの集大成を披露するかのように13作品に取り組んだラトル&ロンドン響 (C)Naoya Ikegami

 今秋は海外のメジャー・オケの来日公演が相次いで行われるなど日本の音楽界も日常を取り戻しつつあり、連日各所で熱演が繰り広げられた。今月は選者の皆さんに10月に開催されたステージからピカイチを、12月に予定されている公演からイチオシを紹介していただきます。

先月のピカイチ

◆◆10月◆◆ 東条碩夫(音楽評論家)選

〈パリ管弦楽団 日本公演 (10/17)〉

10月17日(月)サントリーホール

クラウス・マケラ(指揮)
ドビュッシー:交響詩「海」/ラヴェル:「ボレロ」/ストラヴィンスキー:「春の祭典」

 

パリ管らしさを引き出したと話題のマケラ&パリ管 (C)堀田力丸
パリ管らしさを引き出したと話題のマケラ&パリ管 (C)堀田力丸

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〈東京交響楽団 第704回定期演奏会〉

10月15日(土)サントリーホール

ジョナサン・ノット(指揮)/安川みく(ソプラノ)
ラヴェル:「道化師の朝の歌」、歌曲集「シェエラザード」/ショスタコーヴィチ:交響曲第4番

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~よみがえった名門パリ管弦楽団の美点~

 パリ管弦楽団の音楽監督に就任したマケラは予想通りの俊英ぶり。名門パリ管弦楽団の美点を久しぶりによみがえらせるという大技をも発揮して、特に「春の祭典」では色彩感豊かな、熱狂的な沸騰の演奏をつくり出した。一方、ノットと東京響の最近の快調さも目覚ましく、ショスタコーヴィチの「4番」での緻密な均衡の構築の裡(うち)に激烈な感情をほとばしらせた演奏は、日本のオーケストラによるこの曲の演奏の中でも屈指の出来だったと言っていいだろう。

来月のイチオシ

◆◆12月◆◆ 東条碩夫(音楽評論家)選

〈ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団 日本公演〉

12月8日(木)、9日(金)東京オペラシティコンサートホール

パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)
ハイドン:交響曲第102番、第96番「奇跡」、第104番「ロンドン」(8日)/ベートーヴェン:「コリオラン」序曲、交響曲第8番、第3番「英雄」(9日)

日本では東京オペラシティでの2公演のみとなるパーヴォ・ヤルヴィ&ドイツ・カンマーフィルの来日公演 (C)Julia Baier
日本では東京オペラシティでの2公演のみとなるパーヴォ・ヤルヴィ&ドイツ・カンマーフィルの来日公演 (C)Julia Baier

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〈シュターツカペレ・ベルリン 日本公演〉

12月6日(火)東京オペラシティコンサートホール/7日(水)、8日(木)サントリーホール、他

クリスティアン・ティーレマン(指揮)
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」から前奏曲と愛の死、ブルックナー:交響曲第7番(6日)/ブラームス:交響曲第2番、第1番(7日)/ブラームス:交響曲第3番、第4番(8日)

 

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~ドイツの楽団 聴き比べ~

 ドイツ・カンマーフィルとのコンビを「私たちはヒッピー楽団」と語ったこともあるパーヴォ・ヤルヴィ。彼のラディカルな感性は、やはりこの小編成の管弦楽団との演奏で最もよく生かされるのではないか。かたやシュターツカペレ・ベルリンは、バレンボイムに替わってティーレマンと来日することになった。このオケは6年ぶりの来日になるが、日本でティーレマンとの顔合わせで演奏するのは今回が初めてである。面白そうだ。

先月のピカイチ

◆◆10月◆◆ 柴田克彦(音楽ライター)選

〈ベルチャ・クァルテット〉

10月10日(月) トッパンホール

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第7番 「ラズモフスキー第1番」/シューベルト:弦楽四重奏曲第14番 「死と乙女」

 

円熟期を迎えたベルチャ・クァルテットは王道の弦楽四重奏曲に挑んだ 写真提供:toppanhall (C)大窪道治
円熟期を迎えたベルチャ・クァルテットは王道の弦楽四重奏曲に挑んだ 写真提供:toppanhall (C)大窪道治

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〈新国立劇場 ヘンデル「ジュリオ・チェーザレ」新制作〉

10月8日(土)新国立劇場オペラパレス

リナルド・アレッサンドリーニ(指揮)/ロラン・ペリー(演出・衣装)/東京フィルハーモニー交響楽団/マリアンネ・ベアーテ・キーランド(ジュリオ・チェーザレ)/加納悦子(コルネーリア)/金子美香(セスト)/森谷真理(クレオパトラ)/藤木大地(トロメーオ)他

 

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~選出が悩ましいほどよき公演が続いた10月~

 ロンドン響、パリ管に、チョン&東京フィルの「ファルスタッフ」をはじめとする複数の在京楽団の公演等々、上位に挙げたい快演が続出した10月(本月だけで年間ベストテンが作れるくらい……)だが、ここは、高密度・高精度で雄弁かつパッショネイトな演奏を聴かせ、現役最強たることを明示したベルチャQを一番手に。新国立劇場「ジュリオ・チェーザレ」も、指揮者アレッサンドリーニのリードが特に光った、同劇場史上屈指の名舞台。

来月のイチオシ

◆◆12月◆◆ 柴田克彦(音楽ライター)選

〈庄司紗矢香&ジャンルカ・カシオーリ デュオ・リサイタル〉

12月11日(日)横浜みなとみらいホール/16日(金)サントリーホール、他

庄司紗矢香(ヴァイオリン)/ジャンルカ・カシオーリ(フォルテピアノ)
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第34番、ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番 「春」、C.P.E.バッハ:ファンタジア Wq.80、他(12月11日)/モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第28番、第35番、C.P.E.バッハ:ファンタジア Wq.80、ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番 「クロイツェル」(12月16日)

庄司紗矢香&ジャンルカ・カシオーリは楽器・プログラムともにじっくりと古典派作品を掘り下げる
庄司紗矢香&ジャンルカ・カシオーリは楽器・プログラムともにじっくりと古典派作品を掘り下げる

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〈シュターツカペレ・ベルリン 日本公演〉

12月6日(火)東京オペラシティコンサートホール/7日(水)、8日(木)サントリーホール、他

クリスティアン・ティーレマン(指揮)
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」から前奏曲と愛の死、ブルックナー:交響曲第7番(6日)/ブラームス:交響曲第2番、第1番(7日)/ブラームス:交響曲第3番、第4番(8日)

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~他では聴けないサウンド、続々~

 興味津々のイチオシは、庄司紗矢香がガット弦とモーツァルト時代のクラシカル・ボウを使用し、カシオーリがフォルテピアノを弾く古典派プログラム・ツアー。実力派デュオが研究の末に挑む新たな境地を、ぜひ生で体験したい。シュターツカペレ・ベルリンは、指揮がティーレマンに代わったことで〝ドイツ本流のコンビによるドイツ伝統のプログラム〟が実現。意外に新鮮な顔合わせも相まって、他では聴けないサウンドと音楽が期待される。

先月のピカイチ

◆◆10月◆◆ 池田卓夫(音楽ジャーナリスト)選

〈ロンドン交響楽団 日本公演 (10/6)〉

10月6日(木)サントリーホール

サイモン・ラトル(指揮)/ピーター・ムーア(トロンボーン)
ベルリオーズ:序曲「海賊」/武満徹:ファンタズマ/カントスII/ラヴェル:ラ・ヴァルス/シベリウス:交響曲第7番/バルトーク:バレエ「中国の不思議な役人」組曲

サイモン・ラトルは今シーズンでロンドン響の音楽監督を退任し、名誉指揮者に (C)Naoya Ikegami
サイモン・ラトルは今シーズンでロンドン響の音楽監督を退任し、名誉指揮者に (C)Naoya Ikegami

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〈パリ管弦楽団 日本公演 (10/17)〉

10月17日(月)サントリーホール

クラウス・マケラ(指揮)
ドビュッシー:交響詩「海」/ラヴェル:「ボレロ」/ストラヴィンスキー:「春の祭典」

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~ロンドン、パリ 名門オーケストラ対決~

 明治以来の日本人憧れの都、ロンドンとパリ。ヨーロッパの2大文化都市を代表する名門楽団の〝対決〟が実現した。26歳の俊英マケラが初めて「マイ・オーケストラ」とともに来日、「春の祭典」でみせた高度のバトンテクニックと一体感は聴きものだったが、先輩ラトルがロンドン響との最終ツアーで現出させた音楽史のパノラマの厚みと説得力、ディテールの彫琢(ちょうたく)には一日の長があった。武満の骨太の歌とフランス音楽への接近、「ラ・ヴァルス」に潜むウィンナ・ワルツの腐敗臭、シベリウス最後の交響曲に一瞬現れる第2交響曲のエコーなどを細大漏らさず浮き上がらせ、バルトークの凄絶(せいぜつ)な追い込みで楽団との揺るぎない共同作業の成果も示して圧巻。

来月のイチオシ

◆◆12月◆◆ 池田卓夫(音楽ジャーナリスト)選

〈シュターツカペレ・ベルリン 日本公演〉

12月6日(火)東京オペラシティコンサートホール

クリスティアン・ティーレマン(指揮)
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」から前奏曲と愛の死、ブルックナー:交響曲第7番

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〈愛知室内オーケストラ20周年特別企画Part3~東混シリーズ第2回〉

12月14日(水)愛知県芸術劇場コンサートホール

山下一史(指揮)/森谷真理(ソプラノ)/中島郁子(メゾソプラノ)/福井敬(テノール)/黒田博(バリトン)/東京混声合唱団

ヴェルディ:「レクイエム」

 

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~注目度高 シュターツカペレ・ベルリン~

 終身首席指揮者のダニエル・バレンボイムは80歳の今年、体調不良に悩まされた末に指揮活動を休止、日本ツアーの代役を下馬評通りティーレマンに委ねた。サントリーホールのブラームスはそのままだが、オペラシティの交響曲は「今さら感」濃厚だったチャイコフスキー「5番」からブルックナー「7番」に差し替えられ、ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」の〝前奏曲と愛の死〟まで聴けるので俄然(がぜん)、面白くなった。愛知室内オーケストラは今年4月に就任した音楽監督の山下と、「管弦楽と合唱」のメニューが「第九」か「メサイア」の二択に近い師走、「ヴェルレク」に挑むのが注目される。

先月のピカイチ

◆◆10月◆◆ 毬沙琳(音楽ジャーナリスト)選

〈ロンドン交響楽団 日本公演(10/5)〉

10月5日(水)サントリーホール 

サイモン・ラトル(指揮)
シベリウス:交響詩「大洋の女神」、交響詩「タピオラ」/ブルックナー:交響曲第7番(B=G・コールス版)

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〈トッパンホール22周年バースデー企画「歌曲(リート)の森」~詩と音楽~第26篇〉

10月3日(月)トッパンホール

クリストフ・プレガルディエン(テノール)/ミヒャエル・ゲース(ピアノ)
シューベルト:水車小屋の美しい娘
(アンコール)シューベルト:「白鳥の歌」より第1曲〝愛の言づて〟、「それらがここにいたことは」、「憩いのない恋」他

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~進化を遂げたラトル×ロンドン交響楽団~

 ラトル率いるロンドン交響楽団のツアーはプログラムの多彩さも話題になった。シベリウスの海洋から沸き立つ神秘的な音に始まり、ブルックナーで聴かせた圧倒的な大伽藍(がらん)に到達する音楽は、進化を遂げた彼らの今に他ならない。プレガルディエンとゲースによるシューベルトはリートの至芸を見るよう。低音までも魅力的なテノールと想像力を喚起するピアノが一体となって描く詩の世界は、主人公に憑依(ひょうい)し涙する至福の時でもあった。

来月のイチオシ

◆◆12月◆◆ 毬沙琳(音楽ジャーナリスト)選

〈シュターツカペレ・ベルリン 日本公演〉

12月6日(火)東京オペラシティコンサートホール/7日(水)、8日(木)サントリーホール、他

クリスティアン・ティーレマン(指揮)
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」から前奏曲と愛の死、ブルックナー:交響曲第7番(6日)/ブラームス:交響曲第2番、第1番(7日)/ブラームス:交響曲第3番、第4番(8日)

シュターツカペレ・ベルリンの6年ぶりの来日はクリスティアン・ティーレマンとともに (C)JakobTillmann
シュターツカペレ・ベルリンの6年ぶりの来日はクリスティアン・ティーレマンとともに (C)JakobTillmann

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〈NHK交響楽団 第1973回定期公演 Bプログラム〉

12月14日(水)、15日(木)サントリーホール

ファビオ・ルイージ(指揮)/河村尚子(ピアノ)
グリンカ: 歌劇「ルスランとリュドミーラ」序曲/ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番/ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界から」

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~ティーレマン×シュターツカペレ・ベルリン 本邦初共演~

 6年ぶりのシュターツカペレ・ベルリンは指揮がバレンボイムからティーレマンに変更となり、6日の特別公演はティーレマンらしさを存分に味わうことのできるワーグナーとブルックナーに変わった。前回のブルックナー・チクルスに続くブラームス・チクルスはドイツらしさを誇る楽団の矜持(きょうじ)を味わえるだろう。3カ月ぶりにN響を振るファビオ・ルイージで聴く名曲プログラム、深い音楽性で魅了する河村尚子のラフマニノフも楽しみだ。

先月のピカイチ

◆◆10月◆◆ 宮嶋 極(音楽ジャーナリスト)

〈NHK交響楽団第1966回定期公演 Cプログラム〉

10月22日(土)NHKホール

ヘルベルト・ブロムシュテット(指揮)
シューベルト:交響曲第1番、第6番

足のケガで当初来日も不安視されたものの、みずみずしい演奏を聴かせたブロムシュテット 写真提供:NHK交響楽団
足のケガで当初来日も不安視されたものの、みずみずしい演奏を聴かせたブロムシュテット 写真提供:NHK交響楽団

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〈ロンドン交響楽団 日本公演〉

10月2日(日)ミューザ川崎シンフォニーホール

サイモン・ラトル(指揮)/ユリアーナ・コッホ(オーボエ)
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」から前奏曲と愛の死/リヒャルト・シュトラウス:オーボエ協奏曲/エルガー:交響曲第2番

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~95歳ブロムシュテットによる生命感あふれるシューベルト~

 10月は注目公演が目白押しだったが私のピカイチはブロムシュテット指揮のN響定期。マーラー9番のAプロも良かったがみずみずしい生命感にあふれたシューベルトのCプロが最も心動かされた。演奏の詳細は拙稿アンコール:信頼が生んだ至芸のシューベルト~ブロムシュテット&N響10月定期②をご覧いただきたい。次点はラトル&ロンドン響かマケラ&パリ管かと迷った末に濃密な「トリスタン…」が強い印象を残したラトルとした。なお、オケ退場後のブロムシュテットの再登場回数は3回。マケラ2回、ラトル1回を上回った。聴衆の盛り上がり度を推しはかる指標のひとつであろう。

来月のイチオシ

◆◆12月◆◆ 宮嶋 極(音楽ジャーナリスト)

〈シュターツカペレ・ベルリン 日本公演〉

12月6日(火)東京オペラシティコンサートホール/7日(水)、8日(木)サントリーホール、他

クリスティアン・ティーレマン(指揮)
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」から前奏曲と愛の死、ブルックナー:交響曲第7番(6日)/ブラームス:交響曲第2番、第1番(7日)/ブラームス:交響曲第3番、第4番(8日)

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〈ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団 日本公演〉

12月8日(木)、9日(金)東京オペラシティコンサートホール

パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)
ハイドン:交響曲第102番、第96番「奇跡」、第104番「ロンドン」(8日)/ベートーヴェン:「コリオラン」序曲、交響曲第8番、第3番「英雄」(9日)

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~バレンボイムからティーレマンへ、異なる個性はいかなる演奏に~

 シュターツカペレ・ベルリンの来日公演は同オケのシェフであるバレンボイムが来日できなくなったのは残念だったが、代役がティーレマンに決まり、また別の楽しみ方ができる。長年、バレンボイムによって鍛え上げられてきた同オケがまったく異なる強烈な個性を持つティーレマンのタクトでどのように変化するのか興味深い。次点はパーヴォが18年にわたって親密な関係を続けているドイツ・カンマーフィルを率いての来日公演。2演目のうち私はハイドン・プロに注目したい。

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