新連載

人生の達人・宗次德二さんの元気が出るコトバ

桐朋学園宗次ホール

街の小さなカレー屋さんだったココイチを、国内外で事業を展開する大人気カレーチェーンへと成長させたカレーハウスCoCo壱番屋の創業者で、現在は宗次ホールの代表を務める宗次德二さんに〝仕事も人生もうまくいく考え方〟を教えていただく連載の第5回目。
今回は「感謝の気持ちを伝えることの大切さ」について考えます。
お客様や取引先、困った時に手を差し伸べてくれた人に心から感謝すること。そして、その気持ちを伝えることがいかに大切か、宗次さんが身をもって感じたことや、感謝の気持ちをシンプルに伝える方法を伺いました。

第5回:感謝の気持ちを伝えることの大切さ

感謝の心を笑顔で迎え、心で拍手――商売の原点は心からの感謝!

私がココイチ時代に始めた「全国接客コンテスト」では、全国各地域から選抜された従業員が一堂に会し、接客の技術を競い合います。
ココイチのアルバイト店員からココイチ・フランチャイズ店を運営する会社の社長になった23歳の女性がいますが、彼女はアルバイトを始めてから2年目に、コンテストの決勝進出を果たしました。
「この人はいいな!」と目を引く人に共通しているのは〝大きな感謝の気持ち〟です。
まずは「ありがとうございます」の言葉を、笑顔ではっきりと伝えること。マスクをしている場合には、笑顔も声のトーンも普段の2倍くらいにしないといけませんね。

FCオーナー社長の諸沢莉乃さんと(1月29日撮影)。この日は、壱番屋グループ全国接客コンテストが開催され、早朝掃除に諸沢社長も参加した
FCオーナー社長の諸沢莉乃さんと(1月29日撮影)。この日は、壱番屋グループ全国接客コンテストが開催され、早朝掃除に諸沢社長も参加した

ココイチのお客様に対してもそうですが、特に宗次ホールのお客様は、数千円のチケット代を払い、中にはわざわざ遠方から来てくださる方もいらっしゃいます。そんな方々に対して無表情で接するなんてありえない。たまに下を向いたまま、顔も上げないで「いらっしゃいませ」を言うなんて、本来ありえないことです。しかしながら感謝の気持ちがあれば、自ずと表情にも表れるはず。忙しくなってくると、つい当たり前のことをおろそかにしてしまいがちですが、お客様が増えてきた時にこそ感謝の気持ちを強く持つことが大切です。

宗次ホールの1階席。コンサートの開演時間が近づくにつれ、続々と客席が埋まっていく
宗次ホールの1階席。コンサートの開演時間が近づくにつれ、続々と客席が埋まっていく

クレームがあった時は……

飲食店にはいろいろなお客様がいらっしゃるので、不本意ながらもクレームはあります。お叱りの多くは、接客態度に関することです。その多くは感謝の笑顔不足が起因であることが多く、これには十分反省して、態度を改めるしかありません。
もちろん、金銭を要求してくる悪意のあるクレームについては、毅然と対応します。理不尽な要求に応えるわけにはいきませんから。ただ、そういうことは滅多にありませんでした。いつも笑顔で健全に、お客様本位で経営しているお店に対しては、悪質なクレームをつける隙がないと思うのです。あらためて、いつも心からの感謝の気持ちで、笑顔の接客をすることの大切さを実感します。

感謝の伝え方は人それぞれ。心に残った感謝の手紙

感謝の気持ちを表現するのに、器用さは必要ないと思います。
ココイチの役員を退いた後に設立したNPO法人イエロー・エンジェルでは、これまでたくさんの音楽家に楽器を貸与してきました。錚々(そうそう)たる演奏家も多くいますが、貸与後の対応は人それぞれです。
常に感謝の気持ちを直接伝えていただいたり、自身のリサイタルやコンサートのご案内と共にご招待いただいたり。何かとお心遣いをいただくと、やはりこの演奏家に貸与して良かったと思います。中には、借りるまでは熱心だったのに、借りた後は何のご連絡もなく、本当に感謝の気持ちがおありなのかと思ってしまう方もいらっしゃいます。
またいつ何時、どういう状況になるかわからないわけですから、〝返してからがスタート〟くらいの気持ちで、感謝と真摯な気持ちは持ち続けている方が良いと思います。

現在、NPO法人イエロー・エンジェルから楽器を貸与しているヴァイオリニストの周防亮介さん(左)と成田達輝さん(右)
現在、NPO法人イエロー・エンジェルから楽器を貸与しているヴァイオリニストの周防亮介さん(左)と成田達輝さん(右)

これまで、ビジネス、私生活を問わず、お金をお貸しすることがありました。本当に感謝して、頑張ってなんとか返済してくれる人もいますが、そうでない人も多いのです。そうした状況のたびに、私は〝逆でなくてよかった。お貸しする立場で良かった〟と思うことにしています。
損得で人付き合いをするのではなく、いつまでも感謝の心を忘れず、誠実に相手と向き合い続けられる人になりたいですね。

(続く)

ひと口食べて「あぁ美味しい」

宗次ホールへお越しの際は、近くの店舗でココイチカレーをどうぞ!

2024年12月にオープンした、ココイチ中区栄四丁目店の前で

宗次ホールから歩いてすぐのところに、2024年12月にココイチの新店舗(中区栄四丁目店)がオープンしました!
コンサートにご来場のお客様から、ココイチ出店の要望が強かったので、私としてもこの度の出店はとても嬉しく思っています。
ココイチの経営者だった頃、大晦日は、年越しそばならぬ〝年越しカレー〟をしていて、大きな紙に新年の目標を3つ書いた後、車で10分ほどのところにあった24時間営業のココイチで0時半頃カレーを食べる、というのが恒例行事でした。今年は1月2日にこの新店舗を訪れ、カレー始めをしました。
皆さんも宗次ホールへお越しの際はぜひ、コンサートの前後に、いつも接客サービスが良く(多分)、美味しいココイチカレーで心もお腹も満たしてくださいね。

~おいしいまかないでやる気アップ!~

今日の宗次ホールスタッフ限定「宗次食堂」

今日のまかない食は、八丁味噌仕立てのおでんと、飛騨牛細切れ肉の牛丼です。
名古屋のおでんといえば、八丁味噌で作った赤黒いみそおでん!数あるご当地おでんの中でも上位にくる美味しさです。

飛騨牛細切れ肉の牛丼
飛騨牛細切れ肉の牛丼
八丁味噌で作った赤黒いみそおでん
八丁味噌で作った赤黒いみそおでん

(取材・文 野崎裕美)

宗次ホール
住所:愛知県名古屋市中区栄4丁目5-14
公式webサイト:https://munetsuguhall.com
Instagram: @munetsugu_hall
X: @munetsuguhall
facebook: munetsuguhall
宗次ホール Youtube チャンネル

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