~4~ ホール全体が集中力に満ちて マエストロ・ムーティとの「第9」200周年公演

ムーティ&ウィーン・フィルによる「第9」200周年公演より=5月7日・ウィーン楽友協会ホール
ムーティ&ウィーン・フィルによる「第9」200周年公演より=5月7日・ウィーン楽友協会ホール

前回の記事で、ウィーン・フィルでの公演で凄すぎてびっくり仰天しちゃったコンサートにMo.(マエストロ)ティーレマンとの定期公演をあげましたが、今回ももうひとつ振り返りたいと思います。

それは、今年の5月にあったMo.ムーティ との「第9」200周年公演です。

私がこの公演でとにかく記憶に残っているのが、満席のお客様がいるとは思えないくらい、物音ひとつないコンサートがあった事。立ち見の方々も凄くたくさんいたし、開演前は「チケット譲って下さい」とプラカルテを持った方々を何人も見ました。それもあってか、私が見た限り、ただの1席も空席がありませんでした。

それなのに、あの閑静な空間。観客からもものすごい集中力を感じました。あそこまでホール全体が集中力に包まれたコンサートは、これまでもなかなかありません。

Mo.ムーティとの「第9」は、テンポ感や解釈が、普段聴く「第9」とは少し違いました。
200年前の初演は、こんな感じだったのかなあ〜と、200年経って、なんだか初演を思い出させるような、そんな思いをMo.ムーティから感じました。

ウィーン・フィルにとってもすごく大事であっただろうこの公演に携われた事、本当に光栄でした。心から感謝しております。

そんな「第9」公演。なんと2025年1月3日から1週間、日本の映画館で上映されるとのこと。 今この時期、日本では、毎日のように「第9」の演奏会があるかと思いますが、スクリーンからあの日の公演の雰囲気を、是非聴いて見て感じてもらえたらと思います。

リッカルド・ムーティ×フィーン・フィルハーモニー管弦楽団「第9」200周年記念公演 in cinema|松竹


また元日の「芸能人格付けチェック 2025年お正月スペシャル」では昨年に引き続き今年も弦楽八重奏部門へ出演しています。そちらも是非ご覧下さい!

有冨 萌々子

Momoko Aritomi

東京都立総合芸術高等学校音楽科ヴァイオリン専攻卒業後、ヴィオラに転向。東京藝術大学ヴィオラ専攻を経て、ウィーン国立音楽大学学部、修士課程共に満場一致の首席で卒業。
日本演奏家コンクール、ウィーン・ディヒラーコンクール、アントン・ルービンシュタイン国際コンクール、東京音楽コンクール、ブラームス国際コンクールなど、数々の国内外のコンクールにて入賞、優勝。
2019/2020年度公益財団法人ローム ミュージック ファンデーション奨学生。2022年度オーストリアHFPヤングアーティスト賞受賞。NHK-FMリサイタル・パッシオ、ヤングプラハ国際音楽祭などに出演。CHANEL Pygmalion Days 2023年参加アーティスト。
これまでにヴァイオリンを玉井菜摘氏、窪田茂夫氏に、 ヴィオラを大野かおる氏、Wolfgang Klos, Ulrich Schönauer, Thomas Selditz, Tobias Leaの各氏に師事。
2022-2024年度ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のアカデミー生として研鑽を積み、同時期にウィーン国立音楽大学にてセルディッツ教授のアシスタント及び講師も勤めた。
国内外のオーケストラでゲスト首席奏者を務めるだけでなく、ソリストとして東京フィル、日本フィル、新日本フィル、スロヴァキア国立放送交響楽団と共演するなど、オーケストラ奏者、ソリスト、室内楽奏者、指導それぞれで今最も期待されている若手実力派ヴィオラ奏者である。

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