「2024年ベスト公演選出」に寄せて

毎日クラシックナビが選ぶ「2024年開催公演の年間ベスト10」で同点1位に輝いた「東京・春・音楽祭 リッカルド・ムーティ イタリア・オペラ・アカデミーin東京vol.4」で上演されたヴェルディの歌劇「アッティラ」(演奏会形式)とサイモン・ラトル指揮、バイエルン放送交響楽団来日公演の関係者が、当編集部にそれぞれコメントを寄せてくれた。
年間ベスト10は2024年1月1日から12月31日までの間に国内で開催された公演の中から、毎日クラシックナビのレギュラー執筆者11人の投票で選出した。

「毎日クラシックナビが選ぶ2024年開催公演ベスト10」はこちら

「東京・春・音楽祭 リッカルド・ムーティ イタリア・オペラ・アカデミーin東京vol.4」ヴェルディ:歌劇「アッティラ」(演奏会形式)

東京・春・音楽祭実行委員会 芦田 尚子 事務局長

——毎日クラシックナビ  2024年間ベスト公演「アッティラ」1位を受けて——

マエストロ・ムーティが情熱と時間をかけて行っているイタリア・オペラ・アカデミーの日本での活動が4回目となり、その成果が高く評価されたことを、主催者として大変うれしく思っております。

今回とりあげた「アッティラ」は、上演される機会も稀で馴染みの少ない作品ですが、音のひとつひとつの意味をマエストロが若い奏者、そしてイルダール・アブドラザコフやフランチェスコ・メーリなどのソリストたちに説いていき、演奏者が深く理解し約2週間、作品に集中して臨んだことで、作品の素晴らしさを聴衆の方々に伝えられることができました。マエストロを中心にすべての音楽家の気持ちが一つの方向を向いた演奏がこの「アッティラ」だったと思います。

「東京春祭 イタリア・オペラ・アカデミーin東京」においてイタリア・オペラの魅力を伝えるべく情熱を注ぐリッカルド・ムーティ 写真提供:東京・春・音楽祭実行委員会 (C)平舘平
「東京春祭 イタリア・オペラ・アカデミーin東京」においてイタリア・オペラの魅力を伝えるべく情熱を注ぐリッカルド・ムーティ 写真提供:東京・春・音楽祭実行委員会 (C)平舘平

マエストロとの共演を重ねることで、ひとりひとりが音楽家として大きく成長している東京春祭オーケストラや東京オペラシンガーズが「アッティラ」でもその実力をさらに高め、方々で非常に高く評価されたことも、東京・春・音楽祭にとって大きな財産になっています。
東京春祭オーケストラはこの春にもマエストロ・ムーティの指揮で、イタリア作品を集めた公演を行う予定にしていますので、ぜひご期待いただきたいと思います。

今回、「アッティラ」だけでなく、同じくマエストロ・ムーティの指揮、東京春祭オーケストラが演奏した「アイーダ」、そしてマエストロ・ヴァイグレと読売日本交響楽団の「エレクトラ」も極めて高い評価を得たことは、昨年20周年を迎え、次の一歩を踏み出すこれからの東京・春・音楽祭の発展に対し、大きな力をいただいたという思いです。今春の東京・春・音楽祭も、皆様の記憶に残る素晴らしい公演をお届けしたいと思っております。

アブドラザコフほか、質の高いソリストが揃う 写真提供:東京・春・音楽祭実行委員会 (C)平舘平
アブドラザコフほか、質の高いソリストが揃う 写真提供:東京・春・音楽祭実行委員会 (C)平舘平

サイモン・ラトル指揮 バイエルン放送交響楽団来日公演

バイエルン放送交響楽団 ニコラウス・ポント ジェネラル・マネージャー

——最高の条件が整ったサー・サイモン・ラトルとの初めての日本ツアー——

サー・サイモン・ラトルを首席指揮者として迎えてから初めての日本ツアーは、私たちの心と記憶に長く残ることでしょう。数々の素晴らしいコンサートホールで(日本の聴衆の)温かさ、知識、熱意をもって迎えられたことにより、音楽を作り上げていくには最高の条件が整いました。クラシックナビの評論家の皆さんに私たちのコンサートを高く評価していただいたことに、私たちは感謝し、喜んでいます。しかし、私たちにとって、日本の聴衆もナンバー1です!

ブルックナーの交響曲第9番やマーラーの同7番で好評を得たラトル&バイエルン放送響  (C)Naoya Ikegami/提供:ジャパン・アーツ
ブルックナーの交響曲第9番やマーラーの同7番で好評を得たラトル&バイエルン放送響  (C)Naoya Ikegami/提供:ジャパン・アーツ

Nikolaus Pont, General Manager BRSO
“Our first tour of Japan with Sir Simon Rattle as our chief conductor will stay in our hearts and memories for a long time – the warmth, knowledge and enthusiasm with which we were welcomed in those wonderful concert halls provided us with the best conditions for music-making that we can think of. We are of course grateful and delighted about the Classic Navi critics rating our concerts so highly. However, for us, the Japanese audiences rank as No 1, too!”

来日時に行われた記者懇親会より、サイモン・ラトルとニコラウス・ポント ジェネラル・マネージャー (C)松尾淳一郎/提供:ジャパン・アーツ
来日時に行われた記者懇親会より、サイモン・ラトルとニコラウス・ポント ジェネラル・マネージャー (C)松尾淳一郎/提供:ジャパン・アーツ

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