
先日、オーストリアの東チロル地方にあるリエンツという町で、マスタークラスの機会をいただき、レッスンをしてまいりました!
今回お招きくださったのは、リエンツ交響楽団の皆さん。音楽教室で教えていらっしゃる先生から、長年趣味で楽しまれているアマチュアの方まで、年齢も経験もさまざまな方が集まるあたたかなオーケストラで、私にとっても非常に学びの多い一日となりました。
私は2023年から1年間、ウィーンフィル・アカデミーに所属しながら、同時にウィーン国立音楽大学でThomas Selditz教授のアシスタントも務めていました。
そこで「教えること」「伝えること」をたくさん学びましたが、今回のマスタークラスではその経験がしっかりと活きていたのか、後日、受講者全員が「大満足して帰った」との嬉しいフィードバックをいただき、じんわりと胸が温かくなりました!
ところで、日本ではヴィオラ奏者向けのオケスタ(オーケストラ・スタディ)指導の場がまだまだ少ない印象を受けています。特にヴィオラはオーケストラでのキャリアが中心になることが多いにも関わらず、入団オーディション対策に特化したレッスンやマスタークラスが不足しているなあと感じています。
この夏の一時帰国では、そんなレッスンを日本でも実現できたら……と密かに思っています。
P.S.
先月、N響がインスブルックで公演を行い、空き時間にいつもお世話になっているヴィオラ・セクションの皆さんと一緒に山の上へ。

私がN響に初めてエキストラで参加させていただいたのは20歳の頃。それから今もこうしてご縁が続いていることに、心から感謝しています。
公演も客席から聴かせていただきましたが、言葉では言い表せないほど素晴らしい演奏で、日本人として本当に誇らしく思いました。
この夏も、少しだけN響に参加させていただける予定です。再びあの音の中に身を置けることを、今からとても楽しみにしています!

有冨 萌々子
Momoko Aritomi
東京都立総合芸術高等学校音楽科ヴァイオリン専攻卒業後、ヴィオラに転向。東京藝術大学ヴィオラ専攻を経て、ウィーン国立音楽大学学部、修士課程共に満場一致の首席で卒業。
日本演奏家コンクール、ウィーン・ディヒラーコンクール、アントン・ルービンシュタイン国際コンクール、東京音楽コンクール、ブラームス国際コンクールなど、数々の国内外のコンクールにて入賞、優勝。
2019/2020年度公益財団法人ローム ミュージック ファンデーション奨学生。2022年度オーストリアHFPヤングアーティスト賞受賞。NHK-FMリサイタル・パッシオ、ヤングプラハ国際音楽祭などに出演。CHANEL Pygmalion Days 2023年参加アーティスト。
これまでにヴァイオリンを玉井菜採氏、窪田茂夫氏に、 ヴィオラを大野かおる氏、Wolfgang Klos, Ulrich Schönauer, Thomas Selditz, Tobias Leaの各氏に師事。
2022-2024年度ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のアカデミー生として研鑽を積み、同時期にウィーン国立音楽大学にてセルディッツ教授のアシスタント及び講師も勤めた。
国内外のオーケストラでゲスト首席奏者を務めるだけでなく、ソリストとして東京フィル、日本フィル、新日本フィル、スロヴァキア国立放送交響楽団と共演するなど、オーケストラ奏者、ソリスト、室内楽奏者、指導それぞれで今最も期待されている若手実力派ヴィオラ奏者である。