~9~ 大阪万博でウィンナ・ワルツを

共演したウィーン・フィルのメンバーらとともに
共演したウィーン・フィルのメンバーらとともに

この度、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の第1ヴァイオリン奏者Andreas Großbauer氏、同じくThomas Küblböck氏、首席チェロ奏者のPeter Somodari氏、ウィーン国立音楽大学ピアノ科教授のLuca Monti氏、そしてオルガニスト/ピアニストであり、ウィーン・フィルとの共演も多いInes Schüttengruberさんとともに、ウィンナ・ワルツの録音・撮影に参加させていただきました。

ウィンナ・ワルツといえば、誰もが思い浮かべる〝ブンチャッチャ〟のリズム。そのリズムを支える重要な役割を担うのがヴィオラです。今回はオーケストラではなくアンサンブルでの演奏だったため、そのヴィオラ・パートを一人で担うという、大変光栄な機会をいただきました。しかも共演者はウィーン・フィルの皆様。これまでの2年間、彼らとともに数多くのウィンナ・ワルツを演奏してきた経験が、今回の録音にも活かされたような気がします。

演奏中は、皆様から絶妙な間合いやリズムの取り方など、細やかなアドバイスを頂きながら、温かく和やかな雰囲気の中で録音に臨むことができました。

そしてこの録音は、2025大阪・関西万博で5月23日より公開予定です。今回、オーストリアは「未来を作曲(Composing the Future)」をテーマに掲げ、経済・技術・文化の各分野において、世界との新たなつながりを提案します。その中で、文化協力の象徴として注目されているのが、日本との特別なプロジェクト——音楽と日本酒の融合です。

このプロジェクトでは、私たちが演奏したヨハン・シュトラウスの「入り江のワルツ」を発酵過程で聴かせた日本酒「獺祭 未来を作曲」が、万博のオーストリアパビリオンにて限定販売されます。完成版は、日本センチュリー交響楽団との音源をミックスしたもので、世界でも類を見ないアートと発酵のコラボレーションとなっています。実は私自身も、まだ完成した音源を聴いておらず、夏には大阪万博を訪れ、その響きと味わいを直接体験する予定です!

私は千葉県で生まれ育ちましたが、家族と親戚は山口県出身です。そんな故郷・山口で生まれた獺祭が、今や日本を代表する銘酒として、ウィーン・フィルの音楽とともに世界に羽ばたくこと、そしてそのプロジェクトに参加できたことを、心から光栄に思っています。

5月23日の発売以降には、録音の舞台裏やメイキング映像も交えた続報をお届けする予定です。楽しみにお待ちください!

なお、ティザー映像や詳細情報はこちらからご覧いただけます。私も映っておりますので、ぜひチェックしてみてください!

「オーストリアのワルツが響く日本酒」|ADVANTAGE AUSTRIA – オーストリア大使館商務部

 

有冨 萌々子

Momoko Aritomi

東京都立総合芸術高等学校音楽科ヴァイオリン専攻卒業後、ヴィオラに転向。東京藝術大学ヴィオラ専攻を経て、ウィーン国立音楽大学学部、修士課程共に満場一致の首席で卒業。
日本演奏家コンクール、ウィーン・ディヒラーコンクール、アントン・ルービンシュタイン国際コンクール、東京音楽コンクール、ブラームス国際コンクールなど、数々の国内外のコンクールにて入賞、優勝。
2019/2020年度公益財団法人ローム ミュージック ファンデーション奨学生。2022年度オーストリアHFPヤングアーティスト賞受賞。NHK-FMリサイタル・パッシオ、ヤングプラハ国際音楽祭などに出演。CHANEL Pygmalion Days 2023年参加アーティスト。
これまでにヴァイオリンを玉井菜摘氏、窪田茂夫氏に、 ヴィオラを大野かおる氏、Wolfgang Klos, Ulrich Schönauer, Thomas Selditz, Tobias Leaの各氏に師事。
2022-2024年度ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のアカデミー生として研鑽を積み、同時期にウィーン国立音楽大学にてセルディッツ教授のアシスタント及び講師も勤めた。
国内外のオーケストラでゲスト首席奏者を務めるだけでなく、ソリストとして東京フィル、日本フィル、新日本フィル、スロヴァキア国立放送交響楽団と共演するなど、オーケストラ奏者、ソリスト、室内楽奏者、指導それぞれで今最も期待されている若手実力派ヴィオラ奏者である。

連載記事 

新着記事 

SHARE :