毎日クラシックナビが選ぶ2025年開催公演ベスト10

〈ピカイチ〉 年間のピカイチに選出されたムーティのイタリア・オペラ・アカデミー公演「シモン・ボッカネグラ」=リハーサルより (C)増田雄介/東京・春・音楽祭実行委員会
〈ピカイチ〉 年間のピカイチに選出されたムーティのイタリア・オペラ・アカデミー公演「シモン・ボッカネグラ」=リハーサルより (C)増田雄介/東京・春・音楽祭実行委員会

今回の「先月のピカイチ 来月のイチオシ」は年初恒例の特別企画、毎日クラシックナビが選ぶ「2025年開催公演の年間ベスト10」の集計結果を発表します。当サイトのレギュラー執筆者である音楽評論家、ジャーナリストの中から10人にご参加いただき、25年1月1日から12月31日までの間に国内で開催された公演を対象に投票を行いました。

その結果、「東京・春・音楽祭 リッカルド・ムーティ イタリア・オペラ・アカデミーin東京vol.5」で上演されたヴェルディの歌劇「シモン・ボッカネグラ」(演奏会形式)が15ポイントで25年のピカイチ(年間ベスト公演)に輝きました。また、次点(2位)にはジョナサン・ノット指揮、東京交響楽団によるブリテンの「戦争レクイエム」が9ポイントを獲得して選ばれました。ムーティによる同アカデミーは24年の「アッティラ」に続いて2年連続の年間ピカイチとなり、「シモン…」は月例の企画でも選者全員がピカイチに挙げたほどの圧巻のステージでした。また、ノット&東響も24年の「ばらの騎士」(3位)、23年の「エレクトラ」(2位)、22年の「サロメ」(1位)と、毎年高い評価を集めており、このコンビの最終シーズンとなった昨年も他公演をベスト10に挙げた筆者も複数いたことなどで、充実の度合いを深めて有終の美を飾った形となりました。

〈次点〉 コンビ最終シーズンも次点の「戦争レクイエム」ほか数々の熱演を繰り出したジョナサン・ノットと東響 (C) N.Ikegami / TSO
〈次点〉 コンビ最終シーズンも次点の「戦争レクイエム」ほか数々の熱演を繰り出したジョナサン・ノットと東響 (C) N.Ikegami / TSO

【採点・集計方法】
2025年1月1日から12月31日までの間に国内で開催された公演の中からクラシックナビの執筆者10人がそれぞれ、ベスト10を選出。1位(ピカイチ)3点、2位(次点)2点、3位から10位まではいずれも各1点とし、その合計をもとに順位を決定した。複数回公演を開催、あるいは海外オケの来日等で複数演目があった場合、取材日にかかわらずひとつにまとめてカウントした。なお、一昨年、昨年に続いて東条碩夫氏から「10公演ともに甲乙つけがたく順不同に」との希望があり、同氏が選んだ10公演はすべて1点として計算した。

【順位】
① 東京春祭 リッカルド・ムーティ イタリア・オペラ・アカデミーin東京vol.5 ヴェルディ「シモン・ボッカネグラ」演奏会形式(9月)……15点
② ジョナサン・ノット指揮 東京交響楽団 ブリテン「戦争レクイエム」(7月)……9点
③ セイジ・オザワ 松本フェスティバル ブリテン「夏の夜の夢」(8月)……8点
③ ヘルベルト・ブロムシュテット指揮  NHK交響楽団 第2045~2047回定期公演(10月)……8点
⑤ クラウス・マケラ指揮 パリ管弦楽団(6月)……6点
⑥ ウィーン国立歌劇場 リヒャルト・シュトラウス「ばらの騎士」(10月)……4点
⑥ クリスティアン・ティーレマン指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(11月)……4点
⑥ ハーゲン・クァルテット プロジェクト フィナーレ PART1(11月)……4点
⑥ クリスティン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル(12月)……4点
⑩ セバスティアン・ヴァイグレ指揮 読売日本交響楽団 ベルク「ヴォツェック」(3月)……3点
⑩ サー・アンドラーシュ・シフ指揮/ピアノ カペラ・アンドレア・バルカ(3月)……3点
⑩ シャルル・デュトワ指揮 NHK交響楽団 第2048, 2049回 定期公演(11月)……3点
⑩ 新国立劇場 ベルク「ヴォツェック」新制作(11月)……3点

〈ベスト3〉ロラン・ペリーが幻想的な世界観を作り上げたセイジ・オザワ 松本フェスティバルの「夏の夜の夢」 (C)大窪道治 / 2025OMF
〈ベスト3〉ロラン・ペリーが幻想的な世界観を作り上げたセイジ・オザワ 松本フェスティバルの「夏の夜の夢」 (C)大窪道治 / 2025OMF

【筆者個別評】

◆◆東条碩夫(音楽評論家)選◆◆

※順不同

〇柴田真郁指揮 大阪交響楽団 第277回定期演奏会
2月9日(日)ザ・シンフォニーホール
ヴェルディ:「運命の力」(演奏会形式)
笛田博昭(ドン・アルヴァーロ)/青山貴(ドン・カルロ)/並河寿美(レオノーラ)他

〇音楽堂室内オペラ・プロジェクト第7弾 モンテヴェルディ「オルフェオ」
2月23日(日)神奈川県立音楽堂
濱田芳通(指揮)/中村敬一(演出)/坂下忠弘(オルフェオ)/岡﨑陽香(エウリディーチェ)/彌勒忠史(メッサジェーラ)他/アントネッロ

〇ルネ・ヤーコプス指揮 ビー・ロック・オーケストラ ヘンデル「時と悟りの勝利」
4月4日(金)東京オペラシティ コンサートホール
トーマス・ウォーカー(時)/ポール・フィギエ(悟り)/スンヘ・イム(美)他

〇オッコ・カム指揮 山形交響楽団 第325回定期演奏会
6月8日(日)山形テルサホール
シベリウス:組曲「レンミンカイネン」他

〇クラウス・マケラ指揮 パリ管弦楽団
6月18日(水)ミューザ川崎シンフォニーホール
ベルリオーズ:「幻想交響曲」他

3年ぶりの来日で一層の充実ぶりを聴かせたマケラとパリ管 (C)N.Ikegami / MUZA Kawasaki Symphony Hall
3年ぶりの来日で一層の充実ぶりを聴かせたマケラとパリ管 (C)N.Ikegami / MUZA Kawasaki Symphony Hall

〇セイジ・オザワ 松本フェスティバル ブリテン「夏の夜の夢」
8月24日(日)まつもと市民芸術館
沖澤のどか(指揮)/ロラン・ペリー(演出)/ニルス・ヴァンダラー(オーベロン)/シドニー・マンカソーラ(タイターニア)/フェイス・プレンダーガスト(パック)他/サイトウ・キネン・オーケストラ

〇東京春祭 リッカルド・ムーティ イタリア・オペラ・アカデミーin東京vol.5 ヴェルディ「シモン・ボッカネグラ」(演奏会形式)
9月13日(土)東京音楽大学100周年記念ホール
リッカルド・ムーティ(指揮)/ジョルジェ・ペテアン(シモン)/ミケーレ・ペルトゥージ(ヤコボ)/イヴォナ・ソボトカ(マリア)他/東京春祭オーケストラ

〇ジョナサン・ノット指揮 東京交響楽団 第736回定期演奏会
11月22日(土)サントリーホール
マーラー:交響曲第9番、他

〇TOPPANホール25周年 室内楽フェスティバルⅠ フォーレ四重奏団とともに
10月2日(木)TOPPANホール
日下紗矢子(ヴァイオリン)/ニルス・メンケマイヤー(ヴィオラ)/フォーレ四重奏団、他
モーツァルト:弦楽五重奏曲ト短調、他

〇クリスティン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル
12月3日(水)サントリーホール
「プレリュード&Co(その仲間たち)」他

~海外メジャー・オケよりもむしろ……~
いずれも見事な熱演だったため甲乙つけがたく、昨年同様「順位無し」の10公演選定であることをご了承ください。これらの他にも、沖澤のどか指揮京響の「英雄の生涯」、アンドレイ・ボレイコ指揮新日本フィルの「1905年」、オペラでは新国立劇場の「ナターシャ」、神奈川県民ホール制作の「羊飼いの王様」他、挙げたかったものが目白押しでした。若い指揮者やソリストの抬頭(たいとう)、演奏会形式オペラの充実などが目立った1年です。

◆◆青澤隆明(音楽評論家)選◆◆

●ピカイチ
ジョナサン・ノット指揮 東京交響楽団 川崎定期 第101回&第732回 定期演奏会
7月19日(土)ミューザ川崎シンフォニーホール、21日(月・祝)サントリーホール
ブリテン「戦争レクイエム」
ガリーナ・チェプラコワ(ソプラノ)/ロバート・ルイス(テノール)/マティアス・ウィンクラー(バリトン)他

●次点
ジョナサン・ノット指揮 東京交響楽団 第734回定期演奏会
9月27日(土)サントリーホール
J・S・バッハ:「マタイ受難曲」
カタリナ・コンラディ(ソプラノ)/アンナ・ルチア・リヒター(メゾ・ソプラノ)/ヴェルナー・ギューラ(テノール)/ミヒャエル・ナジ(バリトン)他

③セイジ・オザワ 松本フェスティバル ブリテン「夏の夜の夢」
8月24日(日)まつもと市民芸術館
沖澤のどか(指揮)/ロラン・ペリー(演出)/ニルス・ヴァンダラー(オーベロン)/シドニー・マンカソーラ(タイターニア)/フェイス・プレンダーガスト(パック)他/サイトウ・キネン・オーケストラ

④ウィーン国立歌劇場 リヒャルト・シュトラウス「ばらの騎士」
10月20日(月)東京文化会館
フィリップ・ジョルダン(指揮)/オットー・シェンク(演出)/カミラ・ニールント(元帥夫人)/ピーター・ローズ(オックス男爵)/サマンサ・ハンキー(オクタヴィアン)他/ウィーン国立歌劇場合唱団、管弦楽団

⑤グスターボ・ドゥダメル指揮 ロサンゼルス・フィルハーモニック
10月25日(土)サントリーホール
マーラー:交響曲第2番「復活」
チェン・レイス(ソプラノ)/ベス・テイラー(メゾ・ソプラノ)他

⑥新国立劇場 ベルク「ヴォツェック」新制作
11月18日(火)新国立劇場オペラパレス
大野和士(指揮)/リチャード・ジョーンズ(演出)/トーマス・ヨハネス・マイヤー(ヴォツェック)/ジェニファー・デイヴィス(マリー)他/東京都交響楽団

⑦〈ハーゲン プロジェクト フィナーレ Part1〉第1夜〜第3夜
11月11日(火)、12日(水)、13日(木)TOPPANホール
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第8番、他
ハーゲン・クァルテット/イェルク・ヴィトマン(クラリネット)

2025/26シーズンをもって解散するハーゲンQのフィナーレ第1弾。ヴィトマンとともに (C)大窪道治/提供:TOPPANホール
2025/26シーズンをもって解散するハーゲンQのフィナーレ第1弾。ヴィトマンとともに (C)大窪道治/提供:TOPPANホール

⑧クラウス・マケラ指揮 パリ管弦楽団
6月19日(木)、20日(金)サントリーホール
ムソルグスキー(ラヴェル編):「展覧会の絵」他

⑨アレクサンドル・メルニコフ(ピアノ)
6月28日(土)TOPPANホール
ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガ

⑩北村朋幹「20世紀のピアノ作品vol.2~1950年代以降のヨーロッパ」
2月15日(土)びわ湖ホール 小ホール
クセナキス:エヴリアリ、他

~音楽からの問いかけを続ける旅——ジョナサン・ノットの冒険を称えて~
2025年は私にとって、まずはジョナサン・ノットの年だった。それだけでベスト・テンを選べる。スイス・ロマンド管弦楽団との旅も熱かったし、東京交響楽団とのラスト・シーズンはいろいろな歌で満たされていった。戦後80年の夏からは「戦争レクイエム」と「マタイ受難曲」、「子どもと魔法」、マーラーとベートーヴェンの第9番、さらに大晦日にいたるまで、多様な愛、憐憫や苦悩を真率に歌い継いだ。
私の内でいまも響き、意味を問い続ける音楽会の一端をここに挙げた。

◆◆池田卓夫(音楽ジャーナリスト)選◆◆

●ピカイチ
ジョナサン・ノット指揮 東京交響楽団 第732回定期演奏会
7月21日(月・祝)サントリーホール
ブリテン:「戦争レクイエム」
ガリーナ・チェプラコワ(ソプラノ)/ロバート・ルイス(テノール)/マティアス・ウィンクラー(バリトン)他

●次点
セバスティアン・ヴァイグレ指揮 読売日本交響楽団第680回名曲シリーズ
3月15日(土)サントリーホール
ベルク「ヴォツェック」(演奏会形式)
サイモン・キーンリーサイド(ヴォツェック)/アリソン・オークス(マリー)他

「ヴォツェック」より、題名役のキーンリーサイド(左)とマリー役のオークス (C)読売日本交響楽団 撮影=藤本崇
「ヴォツェック」より、題名役のキーンリーサイド(左)とマリー役のオークス (C)読売日本交響楽団 撮影=藤本崇

③ヤン・ヴィレム・デ・フリーント指揮 京都市交響楽団 第696回定期演奏会
1月18日(土)京都コンサートホール
ダウランド:弦楽合奏のための「あふれよ、涙」/シューマン:交響曲第2番、他

④広島交響楽団 ~被爆80周年 Music for Peace~平和音楽大使 マルタ・アルゲリッチ 特別公演
10月16日(木)広島文化学園HBGホール
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番、他
クリスティアン・アルミンク(指揮)/マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)他

⑤高関健指揮 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 第383回定期演奏会
11月8日(土)東京オペラシティ コンサートホール
メシアン:トゥランガリーラ交響曲

⑥シャルル・デュトワ指揮 NHK交響楽団 第2049回 定期公演 Cプログラム
11月14日(金)NHKホール
ラヴェル:「ダフニスとクロエ」他

⑦ガボール・タカーチ=ナジ指揮 日本フィルハーモニー交響楽団
6月6日(金)サントリーホール
ドヴォルザーク「チェロ協奏曲」/モーツァルト:交響曲第41番「ジュピター」他
ミクローシュ・ペレーニ(チェロ)

⑧レナード・スラトキン指揮 東京都交響楽団 第1014回定期演奏会Bシリーズ
1月14日(火)サントリーホール
ラフマニノフ:交響曲第2番、他

⑨川瀬賢太郎指揮 名古屋フィルハーモニー交響楽団 第531回定期演奏会
2月21日(金)愛知県芸術劇場コンサートホール
マーラー:交響曲第6番「悲劇的」

⑩熊倉優指揮 九州交響楽団 第430回定期演奏会
5月22日(木)アクロス福岡シンフォニーホール
プッチーニ:「トスカ」(演奏会形式)
高野百合絵(トスカ)/宮里直樹(カヴァラドッシ)他

~音楽で死者を悼み平和を願った2025年~
2025年は第二次世界大戦終結と広島、長崎への原爆投下から80周年の節目であり、ウクライナやガザ地区などで今も戦火が絶えないなか、現代の演奏家が死者を悼み平和を願う演奏会が相次いだ。「戦争レクイエム」は兵庫県芸術文化センター管弦楽団、広島交響楽団なども演奏したが、12シーズンに及んだ音楽監督の最終シーズン、英国人指揮者ジョナサン・ノットが東京交響楽団&コーラスと達成した演奏の成果は長く記憶に残るものとなった。

◆◆香原斗志(音楽評論家)選◆◆

●ピカイチ
東京春祭 リッカルド・ムーティ イタリア・オペラ・アカデミーin東京vol.5 ヴェルディ「シモン・ボッカネグラ」(演奏会形式)
9月13日(土)東京音楽大学100周年記念ホール
リッカルド・ムーティ(指揮)/ジョルジェ・ペテアン(シモン)/ミケーレ・ペルトゥージ(ヤコボ)/イヴォナ・ソボトカ(マリア)他/東京春祭オーケストラ

●次点
ミケーレ・マリオッティ指揮 東京交響楽団 川崎定期演奏会 第100回
6月7日(土)ミューザ川崎シンフォニーホール
ロッシーニ「スタバト・マーテル」他
ハスミック・トロシャン(ソプラノ)/ダニエラ・バルチェッローナ(メゾ・ソプラノ)/マキシム・ミロノフ(テノール)/マルコ・ミミカ(バス・バリトン)他

③クラウス・マケラ指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
11月18日(火)サントリーホール
マーラー:交響曲第5番、他

④ウィーン国立歌劇場 モーツァルト「フィガロの結婚」
10月5日(日)東京文化会館
ベルトラン・ド・ビリー(指揮)/バリー・コスキー(演出)/リッカルド・ファッシ(フィガロ)/カタリナ・コンラディ(スザンナ)/ダヴィデ・ルチアーノ(アルマヴィーヴァ伯爵)/ハンナ=エリザベット・ミュラー(アルマヴィーヴァ伯爵夫人)他

⑤レオ・ヌッチ 最後の来日
11月9日(日)サントリーホール
ヴェルディ:「リゴレット」ハイライト、他
レオ・ヌッチ(バリトン)/エンケレーダ・カマーニ(ソプラノ)/アンサンブル・ヴェルディ(管弦楽)

カマーニを伴い圧巻の歌唱を披露したレオ・ヌッチ

⑥エリーナ・ガランチャ メゾ・ソプラノ リサイタル
6月21日(土)サントリーホール
ビゼー:歌劇「カルメン」より〝ハバネラ〟ほか
カレル・マーク・チチョン(指揮)/新日本フィルハーモニー交響楽団

⑦セイジ・オザワ 松本フェスティバル ブリテン「夏の夜の夢」
8月24日(日)まつもと市民芸術館
沖澤のどか(指揮)/ロラン・ペリー(演出)/ニルス・ヴァンダラー(オーベロン)/シドニー・マンカソーラ(タイターニア)/フェイス・プレンダーガスト(パック)他/サイトウ・キネン・オーケストラ

⑧平野和 バス・バリトン リサイタル
12月25日(木)Hakuju Hall
ケルナーの詩による12の歌曲、他
川島基(ピアノ)

⑨チョン・ミョンフン指揮 ミラノ・スカラ座フィルハーモニー管弦楽団
9月22日(月)サントリーホール
チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」他

⑩東京二期会オペラ劇場 ビゼー「カルメン」新制作
2月23日(日)東京文化会館
沖澤のどか(指揮)/イリーナ・ブルック(演出)/加藤のぞみ(カルメン)/城宏憲(ドン・ホセ)/宮地江奈(ミカエラ)他/読売日本交響楽団

~すべてが異次元な演奏の先に希望の光が~
「シモン・ボッカネグラ」はリハーサルから通い詰めたが、オーケストラや合唱、歌手の進化の過程を含めて異次元の公演だった。すべての音がムーティの手の内で一体化し、徹底的に緻密なのに、大きな起伏により劇性にも事欠かず、洗練を極めた音による崇高なドラマが現出する。そのマジックは、演奏家には高い理想とそこに届きうる可能性を、聴き手には音楽の底知れぬ魅力を提示した。逼塞(ひっそく)した現実のなかで希望が持てる瞬間だった。

◆◆柴田克彦(音楽ライター)選◆◆

●ピカイチ
東京春祭 リッカルド・ムーティ イタリア・オペラ・アカデミーin東京vol.5 ヴェルディ「シモン・ボッカネグラ」(演奏会形式)
9月15日(月・祝)東京音楽大学100周年記念ホール
リッカルド・ムーティ(指揮)/ジョルジェ・ペテアン(シモン)/ミケーレ・ペルトゥージ(ヤコボ)/イヴォナ・ソボトカ(マリア)他/東京春祭オーケストラ

●次点
セイジ・オザワ 松本フェスティバル ブリテン「夏の夜の夢」
8月24日(日)まつもと市民芸術館
沖澤のどか(指揮)/ロラン・ペリー(演出)/ニルス・ヴァンダラー(オーベロン)/シドニー・マンカソーラ(タイターニア)/フェイス・プレンダーガスト(パック)他/サイトウ・キネン・オーケストラ

※以下、順不同

〇シャルル・デュトワ指揮 NHK交響楽団 第2049回 定期公演 Cプログラム
11月14日(金)NHKホール
ラヴェル:「ダフニスとクロエ」他

〇クラウス・マケラ指揮 パリ管弦楽団
6月18日(水)ミューザ川崎シンフォニーホール
ベルリオーズ:「幻想交響曲」他

〇ルネ・ヤーコプス指揮 ビー・ロック・オーケストラ ヘンデル「時と悟りの勝利」
4月4日(金)東京オペラシティ コンサートホール
トーマス・ウォーカー(時)/ポール・フィギエ(悟り)/スンヘ・イム(美)他

〇ベルチャ・クァルテット×エベーヌ弦楽四重奏団
3月29日(土)神奈川県立音楽堂
メンデルスゾーン:弦楽八重奏曲、他

〇サー・アンドラーシュ・シフ指揮/ピアノ カペラ・アンドレア・バルカ
3月21日(金)ミューザ川崎シンフォニーホール
J・S・バッハ:ピアノ協奏第1番、他

シフ率いるカペラ・アンドレア・バルカによる最後の来日公演 (C)Taichi Nishimaki
シフ率いるカペラ・アンドレア・バルカによる最後の来日公演 (C)Taichi Nishimaki

〇TOPPANホール25周年 室内楽フェスティバル フォーレ四重奏団とともに
10月2日(木)、4日(土)、5日(日)、7日(火)、8日(水)TOPPANホール
シューベルト:ピアノ五重奏曲 「鱒」他
日下紗矢子(ヴァイオリン)/ニルス・メンケマイヤー(ヴィオラ)/フォーレ四重奏団、他

〇ヘルベルト・ブロムシュテット指揮 NHK交響楽団 第2045~2047回定期公演
10月9日(木)サントリーホール、18日(土)・24日(金)NHKホール
ブラームス:交響曲第3番、他

〇高関健指揮 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 第375回定期演奏会
1月17日(金)東京オペラシティ コンサートホール 
マーラー:交響曲第7番「夜の歌」他

~好演続くも各公演伯仲の2025年~
良い公演は多かったものの、1位、2位は苦渋の選択。全体がほとんど横並びなのだが、こうなるとどうしてもオペラのインパクトが勝ってくる。ムーティ指揮の「シモン〜」は、作品のイタリア・オペラとしての妙味を浮き彫りにした名演。中でもアカデミーの成果を反映したオーケストラの質感に魅せられた。松本の「夏の夜の夢」は、歯切れ良い指揮と洒落た演出が印象的。3位以下ではN響各公演における名匠の手腕に感服させられた。

◆◆那須田 務(音楽評論家)選◆◆

●ピカイチ
クリスティン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル
12月18日(木)東京オペラシティ コンサートホール
Der Wohltemperierte Flügel −Preludes & Co

新たな試みとして、ツアー中にも変容するプログラムを取り入れたツィメルマン (C)Bartek Barczyk
新たな試みとして、ツアー中にも変容するプログラムを取り入れたツィメルマン (C)Bartek Barczyk

●次点
サー・アンドラーシュ・シフ指揮/ピアノ カペラ・アンドレア・バルカ
3月26日(水)東京オペラシティ コンサートホール
ピアノ協奏曲第20番、他

※以下、順不同

〇セバスティアン・ヴァイグレ指揮 読売日本交響楽団第680回名曲シリーズ
3月15日(土)サントリーホール
ベルク「ヴォツェック」(演奏会形式)
サイモン・キーンリーサイド(ヴォツェック)/アリソン・オークス(マリー)他

〇音楽堂室内オペラ・プロジェクト第7弾 モンテヴェルディ「オルフェオ」
2月23日(日)神奈川県立音楽堂
濱田芳通(指揮)/中村敬一(演出)/坂下忠弘(オルフェオ)/岡﨑陽香(エウリディーチェ)/彌勒忠史(メッサジェーラ)他/アントネッロ

〇ヘルベルト・ブロムシュテット指揮 NHK交響楽団 第2045回定期公演Bプログラム
10月9日(木)サントリーホール
シベリウス/交響曲 第5番、他

〇フィリップ・ジャルスキー(カウンターテナー)&ティボー・ガルシア(ギター) デュオ・リサイタル
10月7日(火)すみだトリフォニーホール
パーセル:歌劇「ダイドーとイニーアス」より、他

〇東京春祭 リッカルド・ムーティ イタリア・オペラ・アカデミーin東京vol.5 ヴェルディ「シモン・ボッカネグラ」(演奏会形式)
9月15日(月・祝)東京音楽大学100周年記念ホール
リッカルド・ムーティ(指揮)/ジョルジェ・ペテアン(シモン)/ミケーレ・ペルトゥージ(ヤコボ)/イヴォナ・ソボトカ(マリア)他/東京春祭オーケストラ

〇ジョナサン・ノット指揮 スイス・ロマンド管弦楽団
7月8日(火)ミューザ川崎シンフォニーホール
ストラヴィンスキー:「ペトルーシュカ」他

〇山田和樹指揮 バーミンガム市交響楽団
7月1日(火)サントリーホール
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 /チャイコフスキー:交響曲第5番、他
河村尚子(ピアノ)

〇クラウス・マケラ指揮 パリ管弦楽団
6月20日(金)サントリーホール
ムソルグスキー(ラヴェル編):「展覧会の絵」他

~ツィメルマンに誘(いざな)われる一期一会の音楽体験~
日本の自宅の愛用のピアノを演目に合わせて念入りに調整し、ホールに運んで演奏するこだわりの人ツィメルマンが、昨年の日本公演に打ち出した新たな試みは、コンサート当日に演目の詳細を発表し、ツアーを通して最良のプログラムを作り上げるという驚くべきものだった。公演最終日の「Der Wohltemperierte Flügel −Preludes & Co」はいわばその結論。ピアノの音、楽曲、演奏が一体となって醸し出される美しさは比類がなく、生涯忘れえぬ体験となった。

◆◆長谷川京介(音楽評論家)選◆◆

① ジョナサン・ノット指揮 東京交響楽団 R・シュトラウス「エレクトラ」
5月12日(金)ミューザ川崎シンフォニーホール
サー・トーマス・アレン(演出監修)/クリスティーン・ガーキー(エレクトラ)/ハンナ・シュヴァルツ(クリテムネストラ)他 ※演奏会形式

② ファビオ・ルイージ指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
11月7日(火)サントリーホール
チャイコフスキー:交響曲第5番、他

昨年創立135年を迎えたコンセルトヘボウは4年ぶりの来日で固有のサウンドを響かせた(ミューザ川崎シンフォニーホール公演より)  (C)N.Ikegami
昨年創立135年を迎えたコンセルトヘボウは4年ぶりの来日で固有のサウンドを響かせた(ミューザ川崎シンフォニーホール公演より)  (C)N.Ikegami

③ キリル・ペトレンコ指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
11月21日(火)ミューザ川崎シンフォニーホール
ブラームス:交響曲第4番、他

④ カーチュン・ウォン指揮 日本フィルハーモニー交響楽団 10月定期演奏会
10月13日(金)サントリーホール
マーラー:交響曲第3番

⑤ 汐澤安彦指揮 パシフィックフィルハーモニア東京 第2回名曲シリーズ
11月1日(水)東京芸術劇場コンサートホール
チャイコフスキー:交響曲第4番、他

〈生涯記憶に残る「エレクトラ」/海外名門オーケストラが真価を発揮〉
R・シュトラウス「エレクトラ」は、主役クリスティーン・ガーキーの大地を揺るがすような歌唱をはじめ歌手全員の熱唱と、ノットが指揮する約120名の東京交響楽団の巨大かつ精緻な響きが一体となり、生涯記憶に残る名演となった。最後の数分間は管弦楽の爆発的エネルギーとともに宇宙の彼方(かなた)へ運ばれていくような感覚を味わった。海外の超一流オーケストラの来日ラッシュとなった2023年。ルイージ指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管のオーケストラ美学の頂点を極める磨き抜かれた演奏に魅了された。ヴィルトゥオーゾ集団ベルリン・フィルを見事に束ねるキリル・ペトレンコの手腕に驚嘆。両者の黄金時代の到来を実感した。カーチュン・ウォン日本フィル首席指揮者就任記念のマーラー:交響曲第3番は完成度が高く、世界的レベルの演奏。吹奏楽界のレジェンド、85歳の汐澤安彦が41年ぶりに在京プロオーケストラを指揮。往年の巨匠を思わせる重厚な演奏は圧巻だった。

◆◆深瀬 満(音楽ジャーナリスト)選◆◆

●ピカイチ
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮 NHK交響楽団 第2045~2047回定期公演

10月9日(木)サントリーホール、18日(土)・25日(土)NHKホール
メンデルスゾーン:交響曲第2番「讃歌」他

御年98歳のブロムシュテットが全プログラムで指揮台に立ったN響の10月定期 写真提供:NHK交響楽団
御年98歳のブロムシュテットが全プログラムで指揮台に立ったN響の10月定期 写真提供:NHK交響楽団

●次点
〈ハーゲン プロジェクト フィナーレ Part1〉第1夜〜第3夜
11月11日(火)、12日(水)、13日(木)TOPPANホール
シューベルト:弦楽四重奏曲第15番、モーツァルト:クラリネット五重奏曲、他
ハーゲン・クァルテット/イェルク・ヴィトマン(クラリネット)

③新国立劇場 ベルク「ヴォツェック」新制作
11月18日(火)新国立劇場オペラパレス
大野和士(指揮)/リチャード・ジョーンズ(演出)/トーマス・ヨハネス・マイヤー(ヴォツェック)/ジェニファー・デイヴィス(マリー)他/東京都交響楽団

※以下、公演日順

〇クラウス・マケラ指揮 パリ管弦楽団
6月19日(木)、20日(金)サントリーホール
ベルリオーズ:幻想交響曲、他

〇ジョナサン・ノット指揮 東京交響楽団 第732回定期演奏会
7月21日(月・祝)サントリーホール
ブリテン:「戦争レクイエム」
ガリーナ・チェプラコワ(ソプラノ)/ロバート・ルイス(テノール)/マティアス・ウィンクラー(バリトン)他

〇東京春祭 リッカルド・ムーティ イタリア・オペラ・アカデミーin東京vol.5 ヴェルディ「シモン・ボッカネグラ」(演奏会形式)
9月15日(月・祝)東京音楽大学100周年記念ホール
リッカルド・ムーティ(指揮)/ジョルジェ・ペテアン(シモン)/ミケーレ・ペルトゥージ(ヤコボ)/イヴォナ・ソボトカ(マリア)他/東京春祭オーケストラ

〇佐藤俊介(ヴァイオリン)&スーアン・チャイ(フォルテピアノ) ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全曲
10月10日(金)浜離宮朝日ホール
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル/ブリッジタワー」他

〇レイフ・オヴェ・アンスネス ピアノ・リサイタル
11月1日(土)フィリアホール
ショパン:24の前奏曲、他

〇クリスティアン・ティーレマン指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
11月10日(月)横浜みなとみらいホール
シューマン:交響曲第3番「ライン」他

〇キリル・ペトレンコ指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
11月20日(木)横浜みなとみらいホール
バルトーク:「中国の不思議な役人」他

~年輪が示す深い境地と到達点~
世界最高齢の現役指揮者であろうヘルベルト・ブロムシュテットが舞台に現れると、会場には安どの空気と感謝の念が湧き起こった。タクトは前年より活発で、引き締まった音楽は神々しいほど。N響は献身的に寄り添い、集中力ある合奏で応えた。とんがっていたハーゲン四重奏団も、ついにお別れの時が。時に音楽の怖い深淵まで見せつけた3日連続公演の高みは記憶に残る。初演100年の「ヴォツェック」は日本でも古典の額縁に収まった。

◆◆毬沙琳(音楽ジャーナリスト)選◆◆

●ピカイチ
東京春祭 リッカルド・ムーティ イタリア・オペラ・アカデミーin東京vol.5 ヴェルディ「シモン・ボッカネグラ」(演奏会形式)
9月15日(月・祝)東京音楽大学100周年記念ホール
リッカルド・ムーティ(指揮)/ジョルジェ・ペテアン(シモン)/ミケーレ・ペルトゥージ(ヤコボ)/イヴォナ・ソボトカ(マリア)他/東京春祭オーケストラ

●次点
クリスティアン・ティーレマン指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
11月11日(火)サントリーホール
ブルックナー:交響曲第5番

6年ぶりにウィーン・フィルの来日公演を牽引したティーレマン
6年ぶりにウィーン・フィルの来日公演を牽引したティーレマン

③新国立劇場 ベルク「ヴォツェック」新制作
11月18日(火)新国立劇場オペラパレス
大野和士(指揮)/リチャード・ジョーンズ(演出)/トーマス・ヨハネス・マイヤー(ヴォツェック)/ジェニファー・デイヴィス(マリー)他/東京都交響楽団

④ヘルベルト・ブロムシュテット指揮 NHK交響楽団 第2046回定期公演Aプログラム
10月18日(土)NHKホール
メンデルスゾーン:交響曲第2番「讃歌」他

⑤エリアフ・インバル指揮 東京都交響楽団 都響スペシャル(2/11)
2月11日(火・祝)東京文化会館
ショスタコーヴィチ:交響曲第13番「バービイ・ヤール」他

⑥東京春祭ワーグナー・シリーズvol.16「パルジファル」(演奏会形式)
3月27日(木)東京文化会館
マレク・ヤノフスキ(指揮)/ステュアート・スケルトン(パルジファル)/クリスティアン・ゲルハーヘル(アムフォルタス)/ターニャ・アリアーネ・バウムガルトナー(クンドリ)他/NHK交響楽団

⑦ベルチャ・クァルテット×エベーヌ弦楽四重奏団 第3夜
3月28日(金)TOPPANホール
エネスク:弦楽八重奏曲、他

⑧内田光子 ピアノ・リサイタル
10月28日(火)サントリーホール
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番、他

⑨〈ハーゲン プロジェクト フィナーレ Part1〉第3夜
11月13日(木)TOPPANホール
ヴィトマン:クラリネット五重奏曲(日本初演)他
ハーゲン・クァルテット/イェルク・ヴィトマン(クラリネット)

⑩イゴール・レヴィット ピアノ・リサイタル
11月25日(火)ミューザ川崎シンフォニーホール
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番、他

~百花繚乱、新たな響きとの出会いに満ちた一年~
ムーティ率いる東京春祭オケはヴェルディのドラマ性を、ウィーン・フィルとティーレマンは壮麗極まる世界を提示。新国「ヴォツェック」はT・J・マイヤー最期の声となった。ブロムシュテット、インバルが純粋に交響曲としての感動を導き、ヤノフスキは天から注ぐ合唱で最上のワーグナーを。ヴィトマン&ハーゲンQが究極の響きで奏でたモーツァルトのクラリネット五重奏曲、レヴィットの此岸と彼岸を行き交う歌心にも心が震えた。

◆◆山田治生(音楽評論家)選◆◆

●ピカイチ
セイジ・オザワ 松本フェスティバル ブリテン「夏の夜の夢」
8月17日(日)まつもと市民芸術館
沖澤のどか(指揮)/ロラン・ペリー(演出)/ニルス・ヴァンダラー(オーベロン)/シドニー・マンカソーラ(タイターニア)/フェイス・プレンダーガスト(パック)他/サイトウ・キネン・オーケストラ

●次点
ジョナサン・ノット指揮 東京交響楽団 川崎定期演奏会 第101回
7月19日(土)ミューザ川崎シンフォニーホール
ブリテン:「戦争レクイエム」
ガリーナ・チェプラコワ(ソプラノ)/ロバート・ルイス(テノール)/マティアス・ウィンクラー(バリトン)他

③グスターボ・ドゥダメル指揮 ロサンゼルス・フィルハーモニック
10月25日(土)サントリーホール
マーラー:交響曲第2番「復活」
チェン・レイス(ソプラノ)/ベス・テイラー(メゾ・ソプラノ)他

④ヘルベルト・ブロムシュテット指揮 NHK交響楽団 第2046回定期公演Aプログラム
10月18日(土)NHKホール
メンデルスゾーン:交響曲第2番「讃歌」他

⑤クラウス・マケラ指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
11月16日(日)ミューザ川崎シンフォニーホール
マーラー:交響曲第5番、他

⑥東京春祭 リッカルド・ムーティ イタリア・オペラ・アカデミーin東京vol.5 ヴェルディ「シモン・ボッカネグラ」(演奏会形式)
9月15日(月・祝)東京音楽大学100周年記念ホール
リッカルド・ムーティ(指揮)/ジョルジェ・ペテアン(シモン)/ミケーレ・ペルトゥージ(ヤコボ)/イヴォナ・ソボトカ(マリア)他/東京春祭オーケストラ

⑦佐渡裕指揮 トーンキュンストラー管弦楽団
5月18日(日)すみだトリフォニーホール
マーラー:交響曲第5番、他

⑧沖澤のどか指揮 京都市交響楽団 第698回定期演奏会
3月15日(土)京都コンサートホール
R・シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」他

⑨新国立劇場 細川俊夫「ナターシャ」新制作
8月13日(水)新国立劇場オペラパレス
大野和士(指揮)/クリスティアン・レート(演出)/イルゼ・エーレンス(ナターシャ)/山下裕賀(アラト)他/東京フィルハーモニー交響楽団

多和田葉子の台本に細川俊夫が作曲した意欲作、「ナターシャ」 撮影:堀田力丸 提供:新国立劇場
多和田葉子の台本に細川俊夫が作曲した意欲作、「ナターシャ」 撮影:堀田力丸 提供:新国立劇場

⑩山下愛陽 ギター・リサイタル
4月28日(月)ヤマハホール
ブリテン:ノクターナル、他

~メモリアル・イヤーに先立ち、ブリテン作品の名演が並ぶ~
特に感銘を受けた公演を選んだ(優れた演奏会だと思っても、それほど感銘を受けなかったものは入れなかった)。2025年は、没後50年である2026年に先立って、ブリテン作品の名演を聴くことができた。セイジ・オザワ 松本フェスティバルの「夏の夜の夢」、ノット&東響の「戦争レクイエム」、山下愛陽の「ノクターナル」などである。ノット&東響は、マーラーの交響曲第9番、ブルックナーの交響曲第8番(第1稿)、リゲティの「マカーブルの秘密」なども記憶に残る。

◆◆宮嶋極(音楽ジャーナリスト)選◆◆

●ピカイチ
ウィーン国立歌劇場 リヒャルト・シュトラウス「ばらの騎士」

10月20日(月)東京文化会館
フィリップ・ジョルダン(指揮)/オットー・シェンク(演出)/カミラ・ニールント(元帥夫人)/ピーター・ローズ(オックス男爵)/サマンサ・ハンキー(オクタヴィアン)他/ウィーン国立歌劇場合唱団、管弦楽団

フル舞台演出によるウィーン国立歌劇場の引越し公演「ばらの騎士」 photo: Kiyonori Hasegawa
フル舞台演出によるウィーン国立歌劇場の引越し公演「ばらの騎士」 photo: Kiyonori Hasegawa

●次点
東京春祭 リッカルド・ムーティ イタリア・オペラ・アカデミーin東京vol.5 ヴェルディ「シモン・ボッカネグラ」(演奏会形式)
9月15日(月・祝)東京音楽大学100周年記念ホール
リッカルド・ムーティ(指揮)/ジョルジェ・ペテアン(シモン)/ミケーレ・ペルトゥージ(ヤコボ)/イヴォナ・ソボトカ(マリア)他/東京春祭オーケストラ

③クリスティアン・ティーレマン指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
11月11日(火)サントリーホール
ブルックナー:交響曲第5番

※以下、公演日順

〇東京春祭ワーグナー・シリーズvol.16「パルジファル」(演奏会形式)
3月27日(木)東京文化会館
マレク・ヤノフスキ(指揮)/ステュアート・スケルトン(パルジファル)/クリスティアン・ゲルハーヘル(アムフォルタス)/ターニャ・アリアーネ・バウムガルトナー(クンドリ)他/NHK交響楽団

〇東京春祭 リッカルド・ムーティ指揮 東京春祭オーケストラ
4月11日(金)東京文化会館
ヴェルディ:歌劇「ナブッコ」序曲/レスピーギ:交響詩「ローマの松」他

〇クラウス・マケラ指揮 パリ管弦楽団
6月18日(水)ミューザ川崎シンフォニーホール
ベルリオーズ:「幻想交響曲」他

〇ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ヴァルトビューネ河口湖2025
7月5日(土)河口湖ステラシアター
グスターボ・ドゥダメル(指揮)
レナード・バーンスタイン:「ウエスト・サイト・ストーリー」より〝シンフォニックダンス〟他

〇ヘルベルト・ブロムシュテット指揮 NHK交響楽団 第2047回定期公演 Cプログラム
10月25日(土)NHKホール
ブラームス:交響曲第3番、他

〇シャルル・デュトワ指揮 NHK交響楽団 第2048回 定期公演 Aプログラム
11月8日(土)NHKホール
ホルスト:組曲「惑星」他

〇ジョナサン・ノット指揮 ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団 名曲全集 第212回
11月23日(日・祝)ミューザ川崎シンフォニーホール
マーラー:交響曲第9番、他

~ウィーン国立歌劇場でしか体験できない唯一無二の「ばらの騎士」~
昨年は名演が目白押し。リサイタルや室内楽などでも印象深い公演は数多あったが10に絞るのは難しくオケとオペラに限定して選んだ。ピカイチはウィーン国立歌劇場の「ばらの騎士」。同劇場ならではの唯一無二のサウンドと舞台に心が強く動かされた。直後のティーレマン&WPHのブルックナーも充実の熱演。ムーティのイタ・オペ関連公演も圧巻だった。BPHはペトレンコとの演奏も驚異的だったがヴァルトビューネの方がより心躍るステージであった。

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