新日本フィルハーモニー交響楽団 横浜特別演奏会 佐渡裕×上原ひろみ

上原ひろみのピアノが炸裂! 大盛り上がりのガーシュウィンと、ソロ楽器の妙技が際立ったバルトーク

音楽監督・佐渡裕の登壇で、20世紀前半に米国で書かれたコンチェルト2曲。まずは、ジャズピアニスト、上原ひろみの独奏で、ガーシュウィンのピアノ協奏曲へ調。

ガーシュウィンのピアノ協奏曲へ調のソリストを務めた上原ひろみ(C)TERASHI Masahiko
ガーシュウィンのピアノ協奏曲へ調のソリストを務めた上原ひろみ(C)TERASHI Masahiko

上原は、思い切りの良い強音からソロを始める。激しくパワフルで、自由度が高い。音楽に勢いがある。佐渡は、先週、兵庫県芸術文化センター管弦楽団の定期演奏会で、上原と同曲を共演していただけに、息の合った指揮。ただし、オーケストラがもう少しはじけてもよいと思うところもあった。第2楽章でトランペットが魅力的なソロ。第3楽章では、上原がパーカッシヴ(打楽器的)なピアノを炸裂(さくれつ)。シロフォンとの絡みなど面白い。長いアドリブを含むカデンツァでは爆発的なジャズを披露。

佐渡裕の指揮と息が合っていた上原。長いアドリブを含むカデンツァでは爆発的なジャズを披露した(C)TERASHI Masahiko
佐渡裕の指揮と息が合っていた上原。長いアドリブを含むカデンツァでは爆発的なジャズを披露した(C)TERASHI Masahiko

上原はアンコールを行い、客席がスタンディング・オベーションの盛り上がりとなったが、その詳細は2月1日の公演が終わるまでのお楽しみ。(1日の公演後に改めてお伝えします=編集部注)

後半は、バルトークの管弦楽のための協奏曲。第1楽章から安定感のある演奏で、各ソロ楽器の妙技が際立つ。金管楽器が余裕のある吹奏。第2楽章「対の遊び」は、明確な小太鼓のリズムに心弾む。第3楽章「悲歌」では、もう少し情感を掘り下げても良かったかもしれない。木管楽器が美しい。第5楽章はディヴェルティメント的な愉しさ。佐渡は、煽ったり力んだりせず、ある程度各奏者に任せて、スッキリと描く。20世紀のコンチェルト・グロッソ(合奏協奏曲)という趣き。20世紀といっても、最早、前世紀であり、作品の古典性さえ感じた。

(山田治生)

公演データ

新日本フィルハーモニー交響楽団 横浜特別演奏会
佐渡裕×上原ひろみ

1月30日(金)19:00横浜みなとみらいホール 大ホール

指揮:佐渡 裕
ピアノ:上原ひろみ
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
コンサートマスター:西江 辰郎

プログラム
ガーシュウィン:ピアノ協奏曲 ヘ調
バルトーク:管弦楽のための協奏曲 Sz.116,BB123

アンコール(オーケストラ&ソリスト)
上原ひろみ:MOVE

ソリスト・アンコール
ガーシュウィン/上原ひろみ:I Got Rhythm ほか

他日公演
1月31日(土)14:00すみだトリフォニーホール
2月1日(日)14:00サントリーホール 大ホール

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山田 治生

やまだ・はるお

音楽評論家。1964年、京都市生まれ。87年、慶応義塾大学経済学部卒業。90年から音楽に関する執筆を行っている。著書に、小澤征爾の評伝である「音楽の旅人」「トスカニーニ」「いまどきのクラシック音楽の愉しみ方」、編著書に「オペラガイド130選」「戦後のオペラ」「バロック・オペラ」などがある。

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