指揮者の山田和樹が、2026/27シーズンよりドイツの名門 ベルリン・ドイツ交響楽団(DSO)の首席指揮者兼芸術監督に就任することが発表された。任期は3年間。ロビン・ティチアーティの後任として、同オーケストラの芸術的中核を担う役割を果たしていく。

ベルリン・ドイツ響を統括するROC代表のアンセルム・ローズ氏は「山田和樹氏は、世界で最も注目される指揮者のひとりです。彼の深い表現力と人間への情熱、そして芸術的なアイデアは、DSOとベルリンにとって理想的なものです」と語る。
また、次期オーケストラ・ディレクターのクリスティアン・ボイケ氏は「彼は、クラシックから現代までのレパートリーで聴衆を魅了する指揮者であり、 バーミンガムでは数多くのアウトリーチおよび教育プロジェクトを通じて、幅広い聴衆を魅了できることをすでに証明しています。」述べた。
さらに楽員代表のヨハネス・ヴァッツェル氏は「山田和樹とのコラボレーションは、私たちのオーケストラにとってエキサイティングな新たな段階の幕開けとなるでしょう。彼の並外れた音楽性と、複雑な楽曲にも正確に命を吹き込む能力は、初共演の時から私たちを魅了してきました。」と期待を寄せている。

ベルリン・ドイツ響は1946年に旧西ベルリンの米軍占領地区放送局の専属として設立され、東西ドイツ統合前はベルリン放送響の名称で活動。統合後の94年からドイチュラント・ラジオの傘下に入り、現在の名称で演奏活動を行っている。これまでフェレンツ・フリッチャイ、ロリン・マゼール、リッカルド・シャイー、ウラディーミル・アシュケナージ、ケント・ナガノといった名指揮者たちが首席指揮者などを務め、山田は8人目の首席指揮者兼芸術監督となる。また、山田は現在、英国のバーミンガム市響音楽監督、モナコ・モンテカルロ・フィル音楽監督兼芸術監督を務めていることに加え、今年6月にはベルリン・フィルの定期公演の指揮台に立つことも決まっている。
山田和樹のコメント
ベルリン・ドイツ交響楽団の首席指揮者兼芸術監督に任命されたことは、私にとって大きな喜びであり、深い感謝の念に堪えません。日本人指揮者がベルリンで音楽界の指導的役割を担うことは未だに稀なことであり、私にとってこの任命は格別な意義を持つものです。昨年4月と9月にオーケストラと共演する機会に恵まれ、特別な化学反応を感じました。今、大きな期待とともに、私たちが共に旅することを楽しみにしています。そして本当に特別な音楽を創造できると確信しております。
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