~13~ ウィーン国立歌劇場「ばらの騎士」で日本へ!

オーケストラ・ピットから見たウィーン国立歌劇場(オペラ座)
オーケストラ・ピットから見たウィーン国立歌劇場(オペラ座)

この秋、ウィーン国立歌劇場の日本ツアー「ばらの騎士」に参加させていただくことになりました!

「秋の日本ツアー、一緒に来ない?」という一通の連絡に、思わず飛び上がるほど嬉しかったのを覚えています。

実は「フィガロの結婚」も含めた全日程でのお声がけをいただいていたのですが、現在インスブルックの劇場では「ナクソス島のアリアドネ」などが絶賛上演中。
オーストリアの多くのオーケストラでは〝ゲスト首席〟という制度がなく、外部から代役を立てることができないため、1カ月という長期の外部出演はすぐに却下せざるを得ませんでした。

それでも諦めきれず、オペラ座に状況を相談したところ、私が試用期間中であること、そして日本ツアーに強く参加を希望していることを深く理解してくださり、「ばらの騎士」のみの参加という形で調整していただけることに。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

これまでウィーン国立歌劇場でのトラ(エキストラ)経験、ウィーン・フィル・アカデミーでの研鑽、そしてインスブルックでの「ばらの騎士」が、私にとって初めてのオペラ首席デビューとなったこと——すべての経験が、この大きな機会へと繋がっているのだと感じました。

また、外部出演が原則NGの中、今回に限り許可をくださったインスブルックの劇場にも、心から感謝しています。信頼を損なわぬよう、これまで以上に真摯に職務に向き合いたいと思っています。

そして今回の投稿をもって、こちらでの1年間の連載は一区切りとなります。秋のツアー終了後には、感想を番外編としてお届けする予定です。

読者の皆さま、ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!

歌劇場にて、いつも応援してくれる母とともに
歌劇場にて、いつも応援してくれる母とともに

有冨 萌々子

Momoko Aritomi

東京都立総合芸術高等学校音楽科ヴァイオリン専攻卒業後、ヴィオラに転向。東京藝術大学ヴィオラ専攻を経て、ウィーン国立音楽大学学部、修士課程共に満場一致の首席で卒業。
日本演奏家コンクール、ウィーン・ディヒラーコンクール、アントン・ルービンシュタイン国際コンクール、東京音楽コンクール、ブラームス国際コンクールなど、数々の国内外のコンクールにて入賞、優勝。
2019/2020年度公益財団法人ローム ミュージック ファンデーション奨学生。2022年度オーストリアHFPヤングアーティスト賞受賞。NHK-FMリサイタル・パッシオ、ヤングプラハ国際音楽祭などに出演。CHANEL Pygmalion Days 2023年参加アーティスト。
これまでにヴァイオリンを玉井菜採氏、窪田茂夫氏に、 ヴィオラを大野かおる氏、Wolfgang Klos, Ulrich Schönauer, Thomas Selditz, Tobias Leaの各氏に師事。
2022-2024年度ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のアカデミー生として研鑽を積み、同時期にウィーン国立音楽大学にてセルディッツ教授のアシスタント及び講師も勤めた。
国内外のオーケストラでゲスト首席奏者を務めるだけでなく、ソリストとして東京フィル、日本フィル、新日本フィル、スロヴァキア国立放送交響楽団と共演するなど、オーケストラ奏者、ソリスト、室内楽奏者、指導それぞれで今最も期待されている若手実力派ヴィオラ奏者である。

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