今月のイチ盤

新譜の中から選りすぐりの「旬のディスク」3枚を、音楽ジャーナリスト・深瀬満さんが紹介します。

ホルスト 組曲「惑星」 ダニエル・ハーディング指揮/バイエルン放送交響楽団

名曲で味わうオーケストラの「今」

大編成オーケストラの醍醐味(だいごみ)を満喫させる新譜が、相次いで登場した。この後、名盤として高い評価を得そうなディスクもある。 <BEST1> ホルスト 組曲「惑星」 ダニエル・ハーディング指揮/バイエルン放送交響楽団

珠玉の小品集 演奏家の本質あらわに

きらりと輝く小品を集めたアルバムにこそ、その音楽家の本質がおのずと表れるもの。名手3人が、それぞれの持ち味を発揮したユニークな小品集を出した。 <BEST1> 田部京子「メロディー」 スコリク:メロディー/ラヴェル:ボロ

プッチーニ 歌劇「トゥーランドット」全曲 ワーナーミュージック WPCS-13842~3(2枚組)

オペラの魅力、豪華顔ぶれのもと開花

新旧のスターが活躍するオペラの名品が相次いでリリースされた。豪華な顔ぶれの競演に、思わず引き込まれる。 <BEST1> プッチーニ 歌劇「トゥーランドット」全曲 ソンドラ・ラドヴァノフスキ(ソプラノ)/ヨナス・カウフマン

ラ・ドルチェ・ヴォルタ(キングインターナショナル)KKC-6598

J・S・バッハの魅力、有力奏者の妙技で味わう

「音楽の父」ヨハン・セバスティアン・バッハの作品がもつ魅力は無尽蔵。最近も、有力奏者による興味深い新譜が、次々と現れている。 <BEST1> J・S・バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲) 上野通明(チェロ) ラ・ドルチェ・ヴ

尾高忠明&大フィル ブルックナー:交響曲第5番フォンテック FOCD9873

演奏団体の持ち味が凝縮 演奏再開の歓びも発露

国内の有力演奏家・団体による、特別な意味合いを持つディスクが相次いで出た。コロナ禍に翻弄された時代を反映した作品にもなっている。 <BEST1> 尾高忠明&大フィル ブルックナー:交響曲第5番 尾高忠明(指揮)/大阪フィ

アルテ・デラルコ ADJ068

小編成オーケストラの響きを満喫させる意欲作に注目

小ぶりなサイズのオーケストラを生かして、その顔合わせならではの魅力をたっぷりと伝える新譜がそろった。 <BEST1> 鈴木秀美&オーケストラ・リベラ・クラシカ ハイドン:交響曲第104番「ロンドン」ほか 鈴木秀美(指揮)

マケラ&オスロ・フィル シベリウス:交響曲第2番

旬の輝きを放つ気鋭の新譜が続々と登場

海外、そして国内で、クラシック音楽界に旋風を巻き起こす若き才能が、新譜ディスクでも注目作をリリースした。 <BEST1> マケラ&オスロ・フィル シベリウス:交響曲第2番ほか クラウス・マケラ(指揮)/オスロ・フ

ハルモニアムンディ(キングインターナショナル) KKC-6565

有力オーケストラの交響曲録音が勢ぞろい

ヨーロッパの名門、そしてピリオド楽器による新興勢力と、日本でも人気の高いオーケストラによる交響曲の新譜が、話題を呼んでいる。 <BEST1> ロト&レ・シエクル マーラー:交響曲第4番 フランソワ=グザヴィエ・ロト(指揮