vol.3 小池優華
BORNE : Carmen Fantasie
今後活躍が期待される若手音楽家を取り上げる動画企画『クラズム ~夢を奏でる~』の第3回目は、第77回全日本学生音楽コンクール フルート部門 高校の部 全国大会で第1位を受賞した小池優華さんを特集。
小池さんは現在、東京音楽大学付属高等学校2年生。フルートとの出会い、普段の練習、演奏前の過ごし方、小池さんが目指す音楽家について語ってもらいました。
フルーティスト 小池優華さんが語る
フルートとの出会い 将来の夢
Interview [full ver.] : 小池優華
音楽との出会い、フルートを始めたきっかけは?
── 始めたのは、小学校2年生のときで、私の親戚のお姉さんがフルートをやっていて、小学校2年生のときに初めて演奏会に行ったのがフルートとの出会いでした。
その時、初めてフルートを見て、音を聴いて、すごくキラキラしていて一目惚れみたいな感じで私もやりたいと思ったのが始めるきっかけになりました。
音も見た目もすごくきれいで、、お母さんとお父さんにお願いして、フルートを始めました。
その時のお父さんお母さんの反応は?
── やりなと言ってくれて、ありがたいです。
初めて吹いた時のことと覚えていますか?
── 初めて吹いた時は、酸欠になっちゃって、ほとんど意識がない状態になってしまって、もうこれは無理だって思ったのがはじめですね。
肺活量が必要なんですね。
── たくさん息を使うので、酸欠になりました。
最初は楽しいというよりも難しいという印象の方が強かったですか?
── はい。でも、音が出た時に、楽しいとか、もっと弾けるようになりたいって思ってきて、どんどん好きになりました。
一日の練習量は?
── 休みの日や、家にいる時はずっと吹いていて、平日とかは学校で吹いたり、帰ってからも家でちょっと吹いたりしています。
練習する時に意識していることや、気をつけていることは?
── 基礎練習は欠かさないようにしています。曲を早く吹きたくても、音作りにおいて大切なので、基礎練習はやるようにしています。
基礎が大切と感じた理由は?
── 基礎練習は、その日だけで効果が感じられるかっていうとそうでもないんですけど、全体を通してちゃんと音が鳴るとか、本番で思うような音が出るのは、きっと基礎練習のおかげなんだろうと信じてやっています。
今、本番のお話が出ましたが、コンクールや演奏会において、本番前はどう過ごされていますか?
── あまり緊張するタイプでないので、わりと普段通りに過ごしていると思うんですけど、本番で演奏している姿を想像したりして、テンションを上げてから本番に挑んでいます。
緊張されないですか?
── あまりしないです。ちょっと緊張しちゃっても、楽屋で曲の好きな部分を吹いたり、本番での姿を想像して無理矢理楽しもうという気持ちに持っていってます。
演奏中はどんなところに意識を置いていますか?
── 毎回、その時その時を楽しもうと決めています。
曲の理解、解釈はどうやって深めていますか?
── 色々な方の演奏を聴いてみたり、今回のようにオペラが元になっている作品だったら、その動画を見てみたりしています。 あとは、フルートは単旋律なので、ピアノ合わせの時に、ピアノの和音や裏の動きとかを実際に感じることができます。その時間は曲を理解する上で大事な時間だなと思います。
普段の様子もお聞きしたいなと思うんですが、趣味は?
── ドラマとか映画を観ることです。高校生とかの青春系のものは見ていて楽しいなって思うし、ジブリとかディズニーとか映像がキレイなものとかもすごく好きです。
普段の学校生活、フルートに触れている時間以外は、どんな風に過ごしていますか?
── ずっと友達とお話しています。
その時、どんな話題が多いですか?
── 雑談とか、たわいもない話やテレビの話をしたりしています。
音楽をやっているお友達が多いですか?
── この学校でのお友達は勿論みんな音楽やっているんですけど、地元の中学校とかの友達も定期的に集まったりしています。
音楽高校のお友達とは音楽についての深い話とかもすることはありますか?
── ずっとしているわけじゃないんですけど、作曲家の話題とか、「この人が好き」「私はこっち」みたいな会話を聞いたりすると、音楽高校だなと思う時があります。
ちなみに、小池さんが好きな作曲家は?
── 王道なんですけれど、モーツァルトが好きで、フルートとすごく相性がいいなと思っていて、キラキラしていて明るくて華やかなところが、すごく好きです。
小池さんにとってフルートは、どんな楽器だと思いますか?また、どんなところが魅力に感じますか?
── 見た目も音もすごくキラキラしているところもそうですし、逆にそんなキレイな見た目から想像できないぐらい激しい音とか、色々な種類の音を出せるところが魅力的だと思います。
小池さんにとって音楽は、どういう存在でしょうか?
── 音楽高校に通っていることもあって、基本的にはずっと音楽と触れ合っていることが日常みたいな感じなので、(音楽が身近に)ないのは、あまり考えられない。体の一部みたいな感じです。
別記事で、音楽を通して人と対話する、言葉を交わしたいと話していましたが?
── 演奏会に行って、どんな楽器だとしても、例えばその人のことを知らなくても、演奏を聴けば、ここは楽しいとか悲しいなと感じることがあると思います。どんな人とでも感情を共有できたり、言葉とかも関係なく音楽で繋がれるのはすごく素敵だなと思うので、そういう演奏家になりたいですね。
将来どんな音楽家になりたいですか?
── どの国のどんな人達からも愛されるような演奏ができるようになりたいです。全然知らない人とかに、音楽を通して「ここが感動した」とか、「ここがすごい楽しかったね」とか、そういう言葉を言ってもらえることが理想的な音楽家なので、そうなりたいと思います。
今後、挑戦したい曲は?
── ロドリーゴのパストラル協奏曲です。すごく難しいと言われているので、挑戦してみたいと思います。あとは、フルートの曲じゃないんですけど、ヴァイオリンとか他の楽器の曲を吹きこなせるようになりたいです。
ロドリーゴのパストラル協奏曲に挑戦したい理由は?
── 東京音楽大学を卒業されているフルート奏者の瀧本実里(たきもと みさと)さんという方に憧れていて、その方がコンクールでその曲を吹いて1位を取ったので、私も挑戦してみたいと思っています。
どんな方面で活躍していきたいですか?
―今はソロをたくさんやっていてソリストになりたいとも思うし、オーケストラとか室内楽とかいろんな仕事があると思うので、それもちょっとずつ勉強していきたいなと思います。
指って大切だと思うんですけど、指や爪のケアとか?
── これというケアはしてないけれど、たくさんお風呂に浸かっています。多分指の疲れは取れているのかなって思います。
9月に演奏会があると聞いたのですが
── ずっと憧れていたソロリサイタルを開催できることになり、今からとてもワクワクしています。まだまだフルート修行中ですが、一つ一つの曲に向き合って、自分のできる最大限の演奏ができるように、たくさん準備をしていきたいと思います。 自分の中で大きな節目になると思うので、良いスタートをきれるように頑張ります! ぜひ聴きに来ていただけると嬉しいです。
Profile
小池 優華 YUKA Koike
8才よりフルートを始める。
第75,76回 全日本学生音楽コンクールフルート部門中学生の部東京大会本選第1位、全国大会第2位
第24回日本ジュニア管打楽器コンクールフルート部門中学生の部金賞
第8回刈谷国際音楽コンクールフルート部門中学生の部最優秀賞、刈谷市教育委員会賞
第18回仙台フルートコンクール中学生の部第1位
第25回日本演奏家コンクール木管楽器部門高校生の部第1位、準グランプリ、神奈川県教育委員会教育長賞
第77回全日本学生音楽コンクールフルート部門高校生の部東京大会本選第1位、全国大会第1位ならびに音楽奨励賞、NHK会長賞
第40回かながわ音楽コンクールフルート部門高校生の部植村泰一賞、他多数のコンクールで入賞
第43回霧島国際音楽祭にて霧島国際音楽祭賞、ならびに音楽監督賞を受賞
第44回霧島国際音楽祭にて音楽祭賞受賞者ガラコンサートにゲスト出演
第17回若い芽のコンサートに出演
クラシック・ヨコハマ生きる~2024 若い命を支えるコンサートにオーケストラの一員として参加
これまでに伊東あみ、上野星矢、工藤重典の各氏に師事
現在、東京音楽大学付属高等学校2年生特別特待奨学生
Event
華の音楽~Le premier pas~ 小池優華フルートリサイタル
URL
https://www.l-i-c.com/hall/schedule/event-2565/
日時
2024年09月27日(金)
18:30 開場 19:00開演
出演者
フルート 小池 優華
ピアノ 内門 卓也
曲目
タファネル 「魔弾の射手」による幻想曲
シャミナード コンチェルティーノ
メンデルスゾーン ロンド・カプリチオーソ(フルート&ピアノ版)
イベール フルート独奏のための小品
イベール フルート協奏曲 他
チケット情報
一般 2,000円/学生 1,000円
https://teket.jp/10422/36205
※チラシに購入用のQRコード掲載あり
お問い合わせ
yukakoikeflute@gmail.com
協力
村松楽器販売株式会社