vol.2 竹内鴻史郎
WAXMAN : Carmen Fantasie
今後活躍が期待される若手音楽家を取り上げる動画企画『クラズム ~夢を奏でる~』の第2回目は、パリのロン・ティボー国際音楽コンクールでヴァイオリン部門第3位を受賞し、パガニーニ国際ヴァイオリンコンクールにて第5位併せてアミチ・ディ・パガニーニ協会賞(最優秀現代音楽演奏賞)、エンリコ・コスタ博士記念賞を受賞した、東京音楽大学付属高等学校3年生の竹内 鴻史郎さんを特集。
海外のコンクールについて、演奏前の過ごし方、普段の練習、将来の夢について語ってもらいました。また、世界的なヴァイオリニストでもある神尾真由子先生にも、お話を伺いました!
神尾真由子が認めるdolceな音色
ヴァイオリニスト竹内鴻史郎
Interview [full ver.] : 竹内鴻史郎
ロン・ティボー国際音楽コンクールのお話を聞かせてください。
── 10月にもイタリアでパガニーニ国際コンクールを受けて、その後11月にパリのロン・ティボー国際音楽コンクールという過酷な日程だったので、コンクール慣れっていう面では良かったのですが、体力的にはきつかったです。
スケジュール的にかなり過密だった?
── そうですね。10月に行ったパガニーニはその一つ一つの本番が離れていたんですけど、ロン・ティボーは演奏した次の日がまた本番になったりしたので、体力的にきついものがありました。
時差ボケはありましたか?
── 日本からヨーロッパに行く分には、そこまで時差ボケはなかったです。
ピアノ伴奏者の方は外国の方でしたが、コミュニケーションは難しかったですか?
── フランス人の方でしたが、英語でコミュニケーションを取りました。
世界の舞台で演奏するというのは、どんな感覚ですか?
── 気持ち的には普段やっている場所と同じ感覚でいようと心がけていますが、大きい会場になると緊張してしまうので、なるべく冷静でいられるように頑張っています。
とても緊張しましたか?
── あまりオーケストラと共演することがないので、そういう面でちょっと不安になりますし、待ち時間も結構長くて落ち着かないのですが、なるべく冷静に自分を落ち着けようと頑張っていました。
並大抵のことじゃないと思います。その中で自分を保つというか、落ち着かせる方法は?
── コンクールの本番の前に、嫌になってきたり、いけると思ったりとか、結構気持ちがコロコロ変わりやすいんですけれど、ずっとヴァイオリンを弾いていた方が安定するというか・・・弾かずに休んでいると不安になってくるので、なるべく弾くようにしています。
では、常に触って弾いてっていう状態の方が落ち着くということですね?
── でも、弾き続けると本番疲れちゃうので休みながらなんですけれど。
パリは竹内さん一人で行きましたか?
── はい。パリは一人で行きました。
色んな手続きがあると思いますが、自分でやったのですか?
── その前の月にイタリアに行った時は親と一緒にいたので、それと同じ手続きを今度は一人でって感じでやったので、2回目ということで不安はあまりなかったです。
一人で行く心細さ、そして過密スケジュールの中で演奏し、3位になるというのは、凄いですね!さて、コンクールでも演奏したワックスマンのカルメン幻想曲を今回演奏していただいたのですけれど、この曲を選んだ理由を教えてください。
── 自分の中でレパートリーとして曲を探していた時に、神尾先生がチャイコフスキーコンクールで弾いていたワックマンの映像を見て格好いいなって思ったのと、神尾先生からもお勧めいただいたのでこの曲選びました。
竹内さんは、今お話ししている時は柔らかい雰囲気ですが、演奏している時とは雰囲気が変わりますね。
── そうですね、それは自分の中でも感じています。
演奏する時は、どんなことを考えたり意識したりしていますか?
── 色々考えてしまうと良くないなと思っているので、あまり何も考えない。ピアノとかと一緒にアンサンブルするというところはもちろん考えますが、音楽に関係ないことを一切考えないようにしています。
竹内さんと音楽もしくはヴァイオリンとの出会いや、興味を初めて持ったきっかけは?
── いつ音楽を好きになったのかよく分からないのですけれど、元々凄く好きだったみたいです。父が昔ヴァイオリンをやっていて、それで近くの音楽教室に連れて行ってもらって・・・というのが最初らしいですね。僕は覚えていないのですけれど。
ヴァイオリンを始めたのは何歳ですか。
── 5歳です。
本人からするとも気付いたらもう始めていたという感覚ですか?
── そうですね。
その頃はどんなお子さんでしたか?
── あんまり覚えてないのですけれど、結構積極的に幼稚園や、学校のことに関わる子どもだったみたいです。ヴァイオリンをやっているので、あまり遊びに行けないんですけど、たまに遊びながら我慢しながら、ずっとヴァイオリンをやっていた記憶があります。
小学校の頃の練習時間は?
── 小学生は1日2~3時間はやっていたんじゃないかなと思っています。
練習場所は家ですか?
基本的には家で練習していました。週に一回レッスンがあったので、その時に教室に行きました。
子供の頃は遊びたいときの練習はイヤじゃなかったですか?
── そうですね。でも、だんだんその生活を繰り返していくと、あまり遊びたいとも思わなくなってくるので、逆に外に出る方が大変になってきます。もう今は慣れているので、あんまり遊びたいと思わないですね。
外で遊ぶよりもヴァイオリンを弾いているのが楽しいという感覚ですか?
── そういう訳でなくて、インドア派になっちゃうというか、あまり外で遊びたいっていうのがないっていう感じですね。中にいた方がっていいという感じです。
竹内さんが憧れているヴァイオリニストや音楽家はいますか?
── 樫本大進(かしもと だいしん)さんというベルリン・フィルの第1コンサートマスターの方です。ちょうど僕が小学校1年生の時にN響アワーという番組で初めて見て、そこからすごく好きになって、今でもよく聴いてます。
好きになった理由は?
── 弾き方だったり音色だったり・・・全部好きです。
演奏方法とか影響を受けていますか?
── 演奏方法は真似してないですが、音楽の作り方はよく参考にしています。テレビとかYOUTUBEとか聞いて真似したりとかしています。
演奏する時に、その曲の解釈やその曲を理解する上で竹内さんがやっていることはありますか?
── 基本的に昔からプロのヴァイオリニストが弾いている動画を見て、これいいなって思ったところを吸収しています。自分からこうしたいなと思ったところは、積極的にやるようにしています。
普段から研究もしているし、自分からやってみたいってことに挑戦するっていう形ですか?
── そうですね。
今、高校3年生ということですが、普段はどんな高校生活を送っていますか? 音楽以外の趣味はありますか?
── よく野球観戦とかプロ野球を見たりしていますね。ジャイアンツ戦をよく見ています。中2くらいからなので、そんなにファン歴は長いわけじゃないですけど。
竹内さんご自身は野球をしますか?
── 僕は全然野球はやらなくて、見るだけですね。
他に何かありますか。
── オーケストラとか、音楽をよく聴いています。
映画とかアニメとかは見ますか?
── あまり見ないですね、最近は。
今の練習時間は?
── 1日何時間というのは決めてないですけど、できるだけモチベーションがある時にやっちゃいます。あとは学校で何時間やって家に帰って何時間という風に、場所を変えてやったりして、うまくモチベーションを保ちながら練習しているという感じです。
コンクールとかコンサートなど本番前のルーティーンはありますか?
── 昔はストレッチとかしていたのですが、今は全く逆で本番前はずっと座って待っている感じで、特別に何もしないようにしています。ただ指だけは温めて直前まで楽屋とかで弾いて、舞台裏にいる時間をそんなに長くないようにしています。
指を温める?
── 手が冷たくなっちゃうと手が動かなくなっちゃうので、なるべく手が動く状態でいたいので、常に温めています。
別の記事で塩を持って舞台に上がっているというのを見たのですが。
── お守りで持っていたけれど、今はあまり持ってないですね。海外とかで塩を包んで行くのは大変なので、今は持っていません。
竹内さんにとってヴァイオリンはどういう存在ですか?
── ヴァイオリンをやめようって思ったこともあるのですが、結局想像した時に日常の中で音楽をやってないっていうのが、自分の中ではあんまり考えられなかったので、なくてはならない存在というか、自分の中の一部でもあるのかなって思っています。
差し支えなければやめようかなと思ったのはいつですか?
── 高校に入る前の進路を決める時なんですけれど、音楽高校に入ると普通の道に行くことはかなり厳しくなるので、ちょっと迷った時期があります。音楽をやっていくっていうのは凄く大変なことなので悩んだんですけれども、やらずに生きていくということが考えられなかったので、ここの高校に入ったりとか、音楽の道に進もうって思いました。
悩んでいた時に背中を押してくれた人がいるとか、こういう言葉を貰ったとかはありましたか?
── 僕が習っている原田幸一郎先生が、一回僕がやめるって言ったら凄く反対されて、音楽を続けるように説得をしてくださいました。それがあってこそ、今ここにいるっていう感じです。
その選択は今振り返ってどうですか?
── まだ分からないですが、今の段階では続けていて凄く良かったなと思っています。
竹内さんの今後の目標は?
── まだここがゴールじゃないので、これからも色々なことを勉強したり吸収したりして、それこそ樫本大進さんみたいなヴァイオリニストに一歩でも近づけるように頑張りたいなって思っています。
将来、どんな演奏家になりたいですか?
── 今はソリストの勉強を中心にやっていますが、室内楽とかオーケストラとか色々な分野で活躍できるような演奏家になりたいなと思っています。
演奏を聴く人にこういったことを伝えたい、こういったことを感じて欲しいということは何かありますか?
── ありきたりな答えになってしまいますが、作曲家が表現したかったことを再現するのが演奏家だと思っているので、作曲家が伝えたいことをそのまま伝えられるようにしたいし、ずっと同じ表現ではお客様が飽きちゃうので、色々な感情を抱いてもらえるような演奏ができたらと思っています。
好きな作曲家とその理由は?
── 色々な作曲家がいますが、リヒャルトシュトラウスやショスタコーヴィチやプロコフィエフとかが好きです。
それぞれタイプが違う作曲家で凄く格好いい音楽。ショスタコーヴィチは感動するメロディックな感じではないですが、冷徹な感じの作曲家、作風ですけれど、それが普段聴いているドイツ音楽とかと違って格好いいなと思っているので、すごく好きです。プロコフィエフはショスタコーヴィチと同じ国の作曲家ですが、ちょっと作風が違って強圧的じゃないというか、ちょっとおどけたようなところがあったりします。その2人の作風の違いも一緒に聴いていて面白いと感じるのが、それが好きな理由です。
好きなヴァイオリン協奏曲や弾いてみたいヴァイオリン曲は?
── 全然違う作曲家ですけど、コルンゴルトのヴァイオリンコンチェルトを弾いてみたいなと思っていて、今までやってきたチャイコフスキーとかメンデルスゾーンとか、そういう作曲家とはちょっと違って、映画音楽のような作風ですけれど、凄く技術的にも難しい曲なので、いつか挑戦してみたいなって。
大学生になったら計画しているキャリアプランはありますか?
── 国内でも国外でも色々な演奏会に出演して、コンクールじゃない場の演奏会での演奏会慣れをしたいなっていうのと、日本だけじゃなくて、海外の音楽祭とか、演奏会も参加して色んな人脈だったりとか、色んなところで弾いてまずは認知してもらいたいです。あとは、海外に勉強しに行きたいなと思っています。
Interview : 神尾真由子
竹内鴻史郎さんとの出会いはいつですか?
── 彼が小学生の時なので6、7年前になります。石川ミュージックアカデミーというマスタークラスに私が講師として呼んで頂いていて、竹内くんが生徒として参加してくれたことがきっかけです。
そこで竹内さんの演奏を聴いてどうでしたか?
── 本当によく覚えています。彼があまりに上手だったので、 サラサーテの「カルメン幻想曲」とヴィエニャフスキーの「2つのヴァイオリンのためのエチュード」の2曲を聴きました。当時から上手な子がいると有名だったので、竹内君の公開レッスンになると、いきなり人が入ってきて満席になって、彼が弾き終わるとみんな退室していくっていう感じになっていました。
当時から結構有名だったんですか?
── そうですね。特に高学年になると大きなコンクールが始まるので、横のネットワークで
保護者さんたちは情報収集に必死になられたりするので。
出会った頃の竹内さんの印象は?
── あの当時は細くて小さくて、とてもかわいい子でした。本当に上手で、いい子でおとなしくてかわいいなと思いました。
最初にレッスンした時っていうのは、演奏をご覧になった後、お話をされましたか?
── 確か本人は恥ずかしがって多分一言も話してないと思います。
レッスンをしていて、彼に光るものを感じたことはありますか?
── 小学生の時点で彼ほど上手だったら、確実に将来すごく弾けるようになるだろうっていうのは分かります。小学生の時にあそこまで仕上がっていて、そこから伸びないということは考えにくいので、最初の時点からすごい子がいるなと思いました。
普段のレッスンの様子について聞かせてください。竹内くんくらい上手だと吸収は早いものですか?
── 早いって言った方が彼のためにはいいのでしょうが、彼に限らず成長がリニアではなくて、自信をつけた時などに飛躍的に別人になる印象が強いです。ちょっと停滞する時期があったり、色々成果が出てくると自信をつけてやる気も出てきて、そこから1週間で同じ人かなっていうような成長を見られるような時期もあったりします。停滞する時期もありましたし、別人のように変わってくる時期もあったなと思います。
飛躍的に伸びたっていう瞬間は記憶にありますか?
── まずは全日本学生音楽コンクールで本選まで残れた時です。その時はやっぱり本選に向けて凄く一生懸命練習していましたし、私に限らず、全ての人のアドバイスを自分のものにしようと頑張っていて、あの1か月でかなり見違えるようになったなと思いました。
それで、今年は大躍進の年で多くのコンクールで本選まで残りました。「結構惜しかったね」というような演奏でも、人によっては優勝の点数をつけてくださったりしています。本当に目覚ましい活躍なので、近頃は自信がついて凄く頑張っているなと思います。
コンクールなどで演奏している姿は皆さんも見ているが、普段の竹内さんの姿はなかなか見られない部分で興味があると思います。例えば、伸び悩むような時期は、どんな感じでしたか?
── 言っていいのか分からないですけど、言っちゃいますけど、一回自暴自棄になって僕はヴァイオリンをやめますってメールを送ってきたことがありました。
悩むというか、そういう時期もやっぱりあるものなんですね。
── そうですね。常に全部成功するとは限らないですし、難しい時期というのはあるので、やはり思春期、高校受験あたりが難しい年齢なのかなと思います。
コンクールとか、コンサートなどでの竹内さんと、普段のレッスン中の竹内さんは違いっていうのはあったりするものなのでしょうか?
── 私の前では、いい子にしようと頑張っている様子ですけれども、彼の同級生とかお友達から聞く話だと、また全然違う感じみたいですね。
竹内さんのヴァイオリン演奏で魅力的なところは?
── 本当にいいところまでいく子で私が演奏を聴いて感心するぐらい上手。その一人が竹内君です。彼は音色がLPレコードのように綺麗で、なかなかあの音色は大人でもいない。特に近頃は綺麗な音を出せない人が多かったりするので、本当稀有な個性で長所だと思います。毎回先生をやりながらも、いつも上手だなと思って聴いています。
レッスンの時に先生が音色を綺麗だねとおっしゃっていましたが、綺麗な音色を出すのは、やはり難しいことなのですか?
── そうですね。やはり複合的なテクニックがいるので、誰でも綺麗な音を出したいっていう思いはあるんですけれども、それを現実的に音にできるかっていうと、どこかでできないことがあったり、音の出し方を知らなかったりするものなのですが、彼はとても綺麗な音で弾いています。
神尾先生は 2007年に第13回チャイコフスキー国際コンクールで優勝し世界を舞台に活躍されているヴァイオリニストでもありますが、そんな神尾先生だからこそできるレッスン方法は?
── そうですね。子供たちって「先生は弾けないくせに」みたいな顔をしますけど、「私は弾けるから」って言えますね(笑)
今後、竹内さんに期待していることは?
── 彼は、ヴァイオリンの才能がすごくあって、ヴァイオリン奏者として抜群に上手ですが、本人は指揮だったり、もっと他の分野を見据えている部分もあるので、その視野の広さを生かして、それこそ弾き振りができたり、指揮者になったり、色んなフィールドで活躍してくれたら嬉しいなと思います。
Profile
竹内 鴻史郎 Koshiro TAKEUCHI
東京都出身。5歳よりヴァイオリンを始める。2023年18歳にてロン・ティボー国際音楽コンクール ヴァイオリン部門 第3位を受賞。また、同年第57回パガニーニ国際ヴァイオリンコンクールにて第5位併せてアミチ・ディ・パガニーニ協会賞(最優秀現代音楽演奏賞)、エンリコ・コスタ博士記念賞受賞。このほか第71回全日本学生音楽コンクール 大阪大会 第1位。第72回全日本学生音楽コンクール 中学校の部 東京大会第1位および全国大会 第2位併せて横浜市民賞(聴衆賞)を受賞。第90回日本音楽コンクール バイオリン部門 第3位。第17回ソウル国際音楽コンクールセミファイナリスト。第7回デザインK音楽コンクール 中学校の部第1位。2018年いしかわミュージックアカデミーにてIMA音楽賞受賞。2023年8月にはサントリーホール大ホールにて「今井信子スペシャル~傘寿記念演奏会~」に出演し山田和樹氏指揮の下、今井信子氏と共演し好評を博した。現在東京音楽大学付属高等学校3年に特別特待奨学生として在籍。現在、原田幸一郎、神尾真由子の両氏に師事。
神尾 真由子 Mayuko KAMIO
4歳よりヴァイオリンをはじめる。2007年に第13回チャイコフスキー国際コンクールで優勝し、世界中の注目を浴びた。ニューヨーク・タイムズ紙でも「聴く者を魅了する若手演奏家」「輝くばかりの才能」と絶賛される。これまで、国内の主要オーケストラはもとより、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団、ロシア・ナショナル・フィルハーモニー交響楽団、ボストン・ポップス・オーケストラ、BBC交響楽団、BBCフィルハーモニック、ブダペスト祝祭管弦楽団、バイエルン州立歌劇場管弦楽団、ワルシャワ 国立フィルハーモニー管弦楽団などと共演。指揮者では、シャルル・デュトワ、ムスティスラフ・ ロストロポーヴィチ、エリアフ・インバル、ウラディーミル・スピヴァコフ、ウラディーミル・アシュケナージ、イルジー・ビェロフラーヴェク、イヴァン・フィッシャーなどと共演している。
近年では、ズービン・メータ指揮ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団と南米ツアー、ルドヴィク・モルロー指揮イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団とイスラエルツアーを行った。サン・モリッツ、コルマール、ヴェルビエなどの著名フェスティバルにも出演。また、ニューヨーク、ワシントン、サンクトペテルブルグ、モスクワ、フランクフルト、ミラノなどでリサイタルを行っている。レコーディングにおいては、RCA Red Sealレーベルより「パガニーニ:24のカプリース」「チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲」「ロマンティック・ソナタ」をリリースしており、2020年10月には「JSバッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ」の新譜を発表した。 これまで里屋智佳子、小栗まち絵、工藤千博、原田幸一郎、ドロシー・ディレイ、川崎雅夫、ザハール・ブロンの各氏に師事。楽器は宗次コレクションより貸与されたストラディヴァリウス1731年製作「Rubinoff」を使用している。大阪府知事賞、京都府知事賞、第13回出光音楽賞、文化庁長官表彰、ホテルオークラ音楽賞はじめ数々の賞を受賞。現在、東京音楽大学で教授を務め、後進の指導にも力を注いでいる。